岩間神信合氣修練会

岩間神信合氣修練会（いわましんしんあいきしゅうれんかい）

岩間神信合氣修練会は、合気道開祖である植芝盛平先生の晩年の高弟であり、その技法を深く継承した故・斉藤守弘師範のご子息である斉藤仁弘氏が中心となって主宰されている合気道の会派の一つです。茨城県笠間市を主な活動拠点としています。

その歴史を振り返ると、斉藤守弘師範の時代には、当会は合気道の中心組織である合気会の傘下で活動を展開していました。この時期、特に重要な役割を担っていたのが、植芝盛平開祖が太平洋戦争中に茨城県の岩間の地に創建された合氣神社の管理でした。斉藤守弘師範は、開祖から直接指導を受けながら、この聖地の維持管理を行い、同時に門下生の指導にあたっていました。

しかし、斉藤守弘師範が2002年に逝去された後、当会は2004年（平成16年）に合気会から独立し、独自の組織として活動を続けることとなりました。

当会の最大の特徴は、合気道開祖・植芝盛平先生が茨城県岩間で過ごされた晩年の教え、すなわち「岩間時代」の技法を極めて忠実に継承し、守り伝えることを重視している点にあります。これは、植芝開祖が1938年（昭和13年）に著された武道書『武道』に掲載されている写真に示された技法表現に非常に近いものが、現在も指導されていることからも見て取れます。

稽古方法においては、相手にしっかりと掴ませた状態で行う、いわゆる「固い稽古」を重要視しています。これは、単に形をなぞるだけでなく、実際の力やバランスに対する感覚を養うことを目的としています。また、技の流れの中で、当身（相手に打撃を与える動作）を明確に表現することを特徴としています。

さらに、当会の稽古体系において特筆すべきは、武器技の重要性です。植芝開祖がその基礎を築き、斉藤守弘師範が体系化したとされる合気剣や合気杖といった武器を用いた技を熱心に指導しています。多くの合気道団体が素手での体術稽古を中心とする中で、当会は武器技の稽古に多くの時間を割き、その重要性を強調しています。そして、単に武器技を行うだけでなく、素手で行う体術（ちなみに、「岩間スタイル」においては、素手で行う合気道の稽古を「体術」と呼称するのが通例です）との有機的な関連性を深く追求している点も、当会の独特なアプローチと言えるでしょう。

こうした主要な稽古内容に加え、当会では手裏剣術や、木刀を用いた立ち木や横木への鍛錬打ちといった、他の合気道の流派ではあまり見られない独特の稽古法が行われていることも知られています。

これらの独特な技法や稽古の体系は、広く「岩間流」あるいは「岩間スタイル」とも称され、合気道界において明確な個性を放っています。

また、当会は国内外からの学生や合気道修行者を合宿生や内弟子として積極的に受け入れ、集中的な指導を行っている点も、その開かれた姿勢を示すものと言えるでしょう。岩間神信合氣修練会は、植芝盛平開祖が岩間で確立した技と精神を現代に伝える、貴重な存在として活動を続けています。

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