岸直弥

岸 直弥（きし なおや）

1986年10月15日、埼玉県毛呂山町に生まれた岸直弥は、日本のラグビー界でプロップおよびフッカーとして活躍した元選手です。身長171cm、体重92kgという体格は、最前列のポジションで力強いプレーを展開する上での基盤となりました。チームメイトや関係者からは、「Q太郎」「キシ」「きっしゃん」「きゃしー」「番長」といった、親しみやすいものから力強さを連想させるものまで、様々な愛称で呼ばれていました。

彼がラグビーの世界に足を踏み入れたきっかけは、あるドキュメンタリー番組でした。テレビ画面を通してラグビーの魅力に触れ、深い感動を覚えたことが、後に選手としての道を歩む原点となったのです。

高校は埼玉県立川越東高等学校に進学し、卒業後、2005年に東海大学へと進みました。東海大学の体育会ラグビーフットボール部では、そのリーダーシップと実力が認められ、2008年度にはチームの主将という重責を担いました。大学時代には、現在の静岡ブルーレヴズで活躍する杉浦直人氏や、かつてトップリーグでプレーした山内貴之氏といった、後のトップリーガーたちと同期として切磋琢磨しました。また、学生時代には、地元埼玉県の選抜チームである埼玉オールスターズの一員に選ばれるなど、早くからその才能の片鱗を見せていました。

大学での輝かしいキャリアを経て、2009年に東海大学を卒業すると、岸選手はジャパンラグビートップリーグ（現・リーグワン）に所属する強豪、ヤマハ発動機ジュビロ（現・静岡ブルーレヴズ）に加入しました。プロの世界での新たな挑戦の始まりです。

プロ入り後、トップリーグの舞台で公式戦デビューを飾ったのは、加入からおよそ1年後の2010年10月2日のことでした。ジャパンラグビートップリーグ2010-2011シーズンの第4節、トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦において、途中出場ながら念願の初キャップを獲得しました。以来、プロップやフッカーとして、スクラムの第一線で体を張り、チームに貢献しました。

ヤマハ発動機ジュビロでは、約8シーズンにわたりプレーを続け、多くの試合に出場しました。持ち前のフィジカルと経験を活かし、チームの勝利のために尽力しました。しかし、2017年をもって、所属したヤマハ発動機ジュビロを退団。プロラグビー選手としてのキャリアに一区切りをつけました。

岸直弥氏は、ラグビーへの情熱をドキュメンタリー番組から受け取り、学生時代にはチームを率いる主将として活躍。プロの世界であるトップリーグでは、ヤマハ発動機ジュビロのフロントローとして長年にわたり貢献しました。そのプレーは、多くのファンに記憶されています。

彼の出身地である埼玉県には、ラグビーだけでなく多分野で活躍する人物が数多くいます。岸氏もまた、その一人として埼玉県のスポーツ史に名を刻んでいます。

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