島崎文治

島崎文治：名CTBから名将へ、法政ラグビー部黄金時代の立役者

島崎文治氏は、1945年生まれの日本の元ラグビー選手である。東京都出身。選手時代はセンターとして活躍し、華麗なプレーで多くのファンを魅了した。

華麗なる選手時代

保善高校から法政大学へと進学した島崎氏は、大学時代、175cm、78kgの恵まれた体格と卓越したスキルを武器に、チームの中核として活躍。1964年から1967年にかけて、法政大学ラグビー部の黄金時代を築き、日本一に貢献した。卒業後は東洋工業ラグビー部（現：マツダブルーズーマーズ）でプレーを続け、1970年には日本代表としてタイ戦で初キャップを獲得。国際舞台でもその実力を遺憾なく発揮し、通算10キャップを記録した。

法政ラグビー部の再建と日本一

選手を引退した後、島崎氏は指導者の道へと進む。元マツダラグビー部監督を経て、1985年には母校である法政大学ラグビー部監督に就任。就任当時、法政大学ラグビー部は低迷期にあった。しかし、島崎氏は、武村秀夫コーチと共に、徹底した規律の強化に着手した。合宿所の乱雑な状態や挨拶の不行儀といった問題点を改善するため、選手たちに対し厳しくも温かい指導を徹底した。

当初は選手との間に摩擦もあったが、粘り強い指導と、チームへの熱い思いが徐々に選手たちに伝わり、チームの雰囲気は大きく変化していく。地道な努力は着実に実を結び、1991年には大学選手権出場をかけた早稲田大学との交流試合で、ノーサイド寸前までリードする接戦を演じた。惜しくも逆転負けを喫したものの、法政復活の兆しを印象付ける試合となった。

翌1992年シーズン、島崎氏は監督を武村氏に譲り、コーチとしてチームを支えた。その年の関東大学ラグビーリーグ戦では、強豪・大東文化大学を破り、8年ぶりの優勝を果たす。勢いに乗る法政大学は、大学選手権でもその実力を発揮。準決勝で2連覇中の明治大学を圧倒し、決勝へと進出する。決勝の相手は早稲田大学。再び激戦となったが、法政大学は逆転に次ぐ逆転劇の末、25年ぶりとなる日本一を掴んだ。

ラグビー界への貢献とその後

島崎氏の指導力は、法政大学ラグビー部の黄金時代を築き上げただけでなく、多くの選手を育成し、日本のラグビー界全体に大きな貢献をした。その功績は、現在もなお語り継がれている。長男の島崎大地氏も法政大学ラグビー部で活躍し、1992年度にはCTBとして日本一を経験している。まさにラグビー一家と言えるだろう。

島崎文治氏の物語は、名選手としての輝かしい経歴、そして低迷期にあったチームを立て直し日本一に導いた指導者としての卓越した能力、そして家族の絆など、多くの要素が絡み合った、感動的な人生の物語である。彼の功績は、後世のラグビー選手たちに大きな影響を与え続けるだろう。

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