島根原子力発電所

島根原子力発電所の概要

島根原子力発電所は、島根県松江市鹿島町に位置する、中国電力が運営する原子力発電所です。一般には「島根原発」という略称で呼ばれています。かつて日本で最も都道府県庁に近い原発とされていましたが、2005年3月31日に鹿島町が松江市と合併したことにより、都道府県庁がある市に設置された初の原発となりました。

施設について

日本の電力会社が運営する原子力発電所としては、関西電力の美浜発電所、東京電力の福島第一原子力発電所に次いで3番目に開設されました。特に1号機に関しては、日立製作所が責任を持って建設した国産の原子炉第1号として評価されています。島根原発は沸騰水型軽水炉を採用しており、中国電力にとって唯一の原子力発電所です。

歴史的経緯

島根原発の1号機は1974年3月29日に営業運転を開始し、続いて1989年には2号機が稼働を始めました。2011年には3号機の燃料装荷予定が延期され、その後の運転再開日程は未定となりました。2015年には1号機が公式に廃炉となり、2017年にはその廃止措置作業が開始されました。さらに、2021年には2号機が新たな安全基準に基づく審査に合格しました。

トラブルの歴史

島根原発では、稼働当初からさまざまなトラブルが発生しています。1977年には1号機で制御棒駆動水の異常が発生し、ノズルにひびが入る事象が報告されました。また、1981年には蒸気漏洩や制御棒駆動系の異常が確認されるなど、数度のトラブルが発生しました。1992年には中性子束異常信号による自動停止が起こり、6号機でも水位異常で自動停止する事例がありました。2010年には点検の不備が多く見つかり、延滞の結果、運転再開が遅れることになりました。

プルサーマル計画

2005年、中国電力は2号機でのプルサーマル計画を進める意向を示しましたが、島根県と松江市の間での意見が分かれる中で調整が行われました。一時は慎重な姿勢が取られましたが、最終的には知事が計画を承認することとなりました。プルサーマル計画はウランとプルトニウムの混合酸化物燃料を利用するもので、最初の計画より遅れる形で進行し、2015年度に実施を目指したと伝えられています。

再稼働への道

2022年には、島根県の知事が2号機の再稼働に対して合意し、2024年末には再稼働が予定されています。島根原発の位置づけや運営方針については、地域社会との関係も含めたさまざまな議論が続いている状況です。

所在地

島根原子力発電所は、島根県松江市鹿島町片句654番地1に位置しています。地域経済と密接に関わりながらも、多くの課題に直面し続ける施設であると言えるでしょう。

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