島根県立松江農林高等学校

島根県立松江農林高等学校

島根県立松江農林高等学校は、島根県松江市に学舎を構える公立の高等学校です。「しまねけんりつ まつえのうりんこうとうがっこう」と読み、略称は「松農（まつのう）」として地域に親しまれています。

概要と歴史

本校の起源は、明治時代にさかのぼります。1900年（明治33年）に設立が認められた「島根県農林学校」を前身としており、同年5月26日に開校しました。その後、何度かの名称変更を経て、1920年（大正9年）に「島根県立松江農林学校」となりました。

第二次世界大戦後の学制改革により、1948年（昭和23年）に新たな教育制度のもと「島根県立松江農林高等学校」（初代）として再出発します。この時期には、農業や林業、畜産など多岐にわたる学科と通信教育部が設けられました。

1951年（昭和26年）には、新設された島根県立島根農科大学の附属高等学校という位置づけになり、「島根県立島根農科大学附属農林高等学校」と改称されます。この時期、校舎の整備も進められました。そして、1968年（昭和43年）に島根農科大学が国立大学へ移管されたことに伴い、再び「島根県立松江農林高等学校」という現在の名称（2代目）となりました。

長い間、農業や林業、畜産といった農林分野を中心とした学科構成でしたが、時代とともに変化に対応し、1997年（平成9年）には大規模な学科改編が行われました。従来の多くの学科募集を停止し、農業関連の生物生産科、環境土木科に加え、多岐にわたる学習が可能な総合学科を新たに設置し、3学科体制となりました。創立から1世紀以上の歴史を刻み、2010年（平成22年）には創立110周年を迎えています。

設置課程・学科

現在、全日制課程に以下の3つの学科が設置されています。

生物生産科: 農業生産に関する専門的な知識や技術を学びます。
環境土木科: 農業や地域環境に関わる土木技術について学びます。
総合学科: 幅広い分野から自身の興味や進路に合わせて学ぶことができます。以下の系列が設けられています。
食品科学系列
福祉サービス系列
地域クリエイト系列

校訓

本校の教育の指針となる校訓は、以下の三つです。

質実・剛健
自主・創造
奉仕・協同

校歌

校歌は能美甲子郎氏が作詞し、田部肇氏が作曲を手がけました。全2番の歌詞があり、その2番には校名である「松江農高」が登場します。

沿革の概要

本校の歴史は、1900年の島根県農林学校設立に始まります。明治期には幾度か名称変更や学科の設置・廃止、農業教員養成所の附設・廃止を経験しています。大正期には、松江農林学校への改称や畜産科の獣医畜産科への改称、修業年限の変更などが行われました。

昭和期に入ると、園芸科や産業組合科が設けられましたが、戦時下では学科の統廃合や授業の停止といった影響を受けました。終戦後、学制改革を経て1948年に新制高等学校となり、農業、林業など5課程と通信教育部、併設中学校を持つ形態となりました。1951年には島根農科大学の附属校となり、校舎移転や体育館建設が進みます。昭和後期には、島根農科大学の国立移管に伴い、再び県立高校として独立しました。この頃から園芸科や食品製造科の設置、畜産科や林業科の廃止など、学科構成が変化していきます。

平成期には、1997年の学科改編で生物生産科、環境土木科、総合学科が設置され、現在の教育体制の基礎が築かれました。この時期には新たな実習棟なども完成しています。2000年には創立100周年を迎え、記念式典が挙行されました。

部活動

生徒たちは学業の傍ら、様々な部活動に取り組んでいます。

運動部: サッカー、剣道、バレーボール、野球、ソフトテニス、卓球、バスケットボール、柔道、陸上競技、バドミントンなど。
* 文化部: 生活科学、写真、文芸、演劇、吹奏楽、書道、美術、華道、茶道、JRC、国際交流など。

姉妹校

中国の上海市農業学校と友好学校協定を結び、国際交流も行っています。

著名な出身者

政治家、プロ野球選手、ミュージシャンなど、多分野で活躍する卒業生を輩出しています。代表的な人物としては、山本亮（元境町長）、池尻勉（元プロ野球選手）、小沢浩一（元プロ野球選手）、石原慎也（Saucy Dog）などが挙げられます。

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