島津忠長 (播磨家)

島津忠長：播磨島津氏最後の当主、その生涯と最期

島津忠長（しまづ ただなが）は、戦国時代に活躍した武将であり、播磨島津氏の15代当主です。『越前島津氏正統家譜』や『越前島津家文書』にその名が記されており、同氏の系図における最後の当主とされています。彼は播磨国立岡山城、別名石蜘蛛城の城主を務めていました。

生涯

忠長の生涯は、天文3年（1534年）8月26日に、赤松晴政に従い、播磨揖東郡で浦上景宗との戦いにおいて幕を閉じました。この戦い、通称「朝日山の合戦」で、彼は34歳という若さで討ち死にを遂げます。

『播陽古城記』には、この合戦の詳細な状況が記録されています。それによれば、忠長は龍野の赤松村秀と赤松範実との不和が原因で起こった戦いに巻き込まれました。浦上景宗は立岡山を攻め取ろうとし、忠長はこれに対抗します。赤松村秀は忠長の援軍を送りましたが、城兵の士気は低く、忠長は朝日山の大日寺麓で戦死しました。

朝日山の合戦

朝日山は標高88メートルの小山で、立岡山の南東約1キロメートルに位置しています。その麓には大日寺があり、この地で忠長は戦死しました。立岡山城の状況を鑑みると、忠長は籠城戦が不利と判断し、自ら打って出て戦ったと考えられます。大日寺には島津氏の墓は存在しませんが、寺には朝日山の合戦で大将格の武将が戦死したと伝えられており、毎年、住職が供養を執り行っています。

朝日山の歴史的背景

朝日山は『播磨国風土記』では大法山と呼ばれていました。この名前の由来は、応神天皇がこの山で大法（重大な法令）を発したことによるとされています。また、斉明天皇の時代（7世紀中頃）には、大倭の千代勝部らが田を開き住み着いたため、現在は勝部岡とも呼ばれています。この山は、古代から歴史的な意義を持つ場所であり、忠長の戦死した場所としても重要な意味を持っています。

島津忠長の生涯は、戦国時代の動乱の中で、一族の命運を背負い、戦い抜いた武将の姿を今に伝えています。彼の戦死した朝日山は、その歴史を静かに語り続けています。

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