川俣シャモ

川俣シャモ

川俣シャモは、福島県伊達郡川俣町で生産されているブランド地鶏です。その歴史は、江戸時代末期に川俣町が絹織物の生産で栄えた時代に遡ります。当時、この地では多くの「絹長者」と呼ばれる富裕層が誕生し、彼らの間で闘鶏が盛んに行われていました。この闘鶏に使われたのがシャモ（軍鶏）であり、その肉を美味しく食べるための工夫も試みられていました。

しかし、時代とともにその伝統は途絶えてしまいます。その後、川俣町を訪れる人々への最高のおもてなしをしたいという思いから、絹とシャモの歴史に着目し、1983年に食用シャモ肉の研究が開始されました。純粋なシャモである「赤笹」の雄をベースに、アメリカ産の肉卵兼用種「ロード・アイランド・レッド」、さらに肉用専用種である「レッドコーニッシュ」などを交配・改良することで、現在の川俣シャモが生み出されました。

現在、川俣シャモは「川俣シャモ振興会」に加入している農家によって飼育されています。また、川俣町農業振興公社が、燻製や冷凍品、シャモ鍋セットなどの加工品の製造・販売を行っています。川俣シャモの肉の特徴は、脂っこくないのに深いコクがあり、硬すぎず水っぽくない適度な弾力があることです。この特徴が人気を呼び、首都圏では高級食材として広く認知されています。

2022年には、川俣シャモは地理的表示保護制度（GI）の対象品目として登録されました。これは、その品質や地域との結びつきが認められた証と言えるでしょう。

世界一への挑戦

川俣シャモのPR活動の一環として、「世界一長い焼き鳥」の記録に挑戦する取り組みが2004年から行われています。この記録は、山口県長門市、和歌山県日高川町、福島県会津若松市、北海道美唄市など、各地と競い合われました。2009年には24.24メートルを記録しましたが、2016年6月現在、世界記録は埼玉県東松山市の25.55メートルとなっています。

また、「川俣シャモまつり」では、「世界一長い川俣シャモの丸焼き」への挑戦が名物イベントとなっています。2016年8月には、61.8メートル、103羽の丸焼きを成功させています。

関連項目

軍鶏

出典

株式会社川俣町農業振興公社：川俣シャモ専門店　地鶏屋本舗
川俣町
川俣シャモ（登録番号第118号）:登録の公示・登録産品紹介 - 農林水産省[[地理的表示]保護制度登録産品](https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/118.html)

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