川勝博

川勝 博（かわかつ ひろし）について

川勝博は1945年に生まれ、2018年に他界した日本の教育学者であり、特に理科教育、特に物理教育の分野で著名です。名古屋市で育ち、名古屋大学の理学部物理学科を卒業後、愛知県内の県立高校で教諭としてキャリアをスタートさせました。彼は物理を中心とした理数教育に力を入れ、教育現場での実践と研究を行いました。

教育者としての歩み

川勝は1994年にアジア人として初めてハンガリーの物理学会から物理教育に対する国際賞を受賞するなど、国際的にもその評価は高まりました。さらに、1997年から2007年まで香川大学教育学部の教授として教育界で活躍し、彼の研究業績や教育哲学は多くの学生や教育者に影響を与えました。

2006年には文部科学大臣表彰の科学技術賞を受賞し、研究と教育の両面での貢献が評価されました。2007年からは名城大学に移り、総合数理教育センターの長を務めました。

川勝が特に注力したのは、物理が「わからない」という壁を乗り越えるための教育方法でした。彼の授業に関する記録や実践は、『川勝先生の物理授業（上・中・下）』としてまとめられ、国内外で出版され、多くの教育者に参考とされました。さらに、これらの著書は英語版や中国語版も存在し、その影響力は国境を越えています。

国際的な活動

日本学術会議の連携会員としても活動し、ユネスコのアジア物理教育ネットワークでは日本代表として、多くの国際的なプロジェクトに参画しました。2012年にはイスタンブールで開催された国際物理教育委員会（ICPE）のメダルを受賞し、国際的な物理教育の推進に尽力した功績がここでも評価されました。

著書リスト

川勝博の著書は多岐にわたります。主な著作には次のようなものがあります。

• - 『いきいき物理わくわく実験1（改訂版）』 共著、日本評論社、2002年
• - 『いきいき物理わくわく実験2（改訂版）』 共著、日本評論者、2002年
• - 『学ぶ側からみた力学の再編成 - 物理教育の「力学」の視点と実践』 共著、新生出版、1992年
• - 『川勝先生の物理授業（上巻）力学編』 海鳴社、1997年
• - 『川勝先生の物理授業（中巻）エネルギー・熱・波・光編』 海鳴社、1998年
• - 『川勝先生の物理授業（下巻）電磁気・原子物理編』 海鳴社、1998年
• - 『理科（授業づくりで変える高校の教室4）』 明石書店、2005年

彼の業績は教育界に大きな影響を与え続けており、その理念や実践は長い間、多くの教育者に受け継がれていくことでしょう。川勝博の教育への情熱は、次世代の教育者や学生たちにも引き継がれ、物理教育に対する新しい視点をもたらすことが期待されています。

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