川口将武

川口将武（かわぐち まさたけ）氏は、日本の造園および環境デザイン分野における第一線の研究者です。大阪府に生まれ、現在は大阪産業大学デザイン工学部の建築・環境デザイン学科にて専任講師として教鞭を執り、未来の環境デザイナー育成に力を注いでいます。

川口氏の学問的探求は、1995年に母校である大阪産業大学工学部環境デザイン学科を卒業したことから始まりました。その後、大阪府立大学大学院農学研究科博士前期課程でさらに研鑽を積み、1997年に修了。研究者としてのキャリアは、1997年4月に大阪産業大学工学部環境デザイン学科の助手としてスタートしました。この期間、教育と研究の基礎を築き、2012年4月からは同学部のデザイン工学部建築・環境デザイン学科にて専任講師に昇任。長年にわたり、大学の教育・研究活動の中心を担っています。また、2001年から2009年にかけては、和歌山工業高等専門学校で環境都市工学科の非常勤講師を務め、教育者としての幅を広げました。さらに、2018年4月から2021年3月にかけては、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科に在籍し、自身の研究を深めました。

研究活動に加えて、川口氏は社会との連携を強く意識し、多岐にわたる地域貢献活動を展開しています。2004年5月からは、NPO法人環境デザイン・エキスパーツ・ネットワーク（E.D.E.N）の副理事長兼事務局長として、環境デザインの専門知識を活かした社会活動を推進しています。この活動は現在まで続いており、長きにわたりNPO運営の要として貢献しています。

また、自治体の専門委員としても精力的に活動しており、その貢献範囲は広範です。例えば、大東市では「だいとうシニア環境大学」で講師を務め、地域住民への環境教育に携わるほか、「大東市社会福祉協議会ボランティア運営振興委員会」の委員も務めました。東大阪市では、「景観審議会委員」や「（仮称）緑化センター整備検討会議委員」、「グリーンフェスタ実行委員会委員」として、都市景観の形成や緑化推進に関わる重要な役割を担いました。吹田市では「（仮称）樹木適正管理指針策定検討会議委員」を務め、大阪府の「都市公園施設設置者選定委員会委員」にも名を連ねるなど、その専門知識は広域自治体の政策決定にも活かされています。この他にも、「枚岡公園地域連携協議会委員」や「枚岡梅林魅力向上分科会委員」として、具体的な公園緑地の魅力向上にも深く関わっています。

これらの社会活動と並行して、専門分野の発展にも貢献しています。2008年からは「日本都市計画学会関西支部研究発表委員会委員」を、2016年からは「日本造園学会関西支部運営委員会委員」および「日本建築学会近畿支部都市計画部会主査」を務めるなど、学会活動においても中心的な役割を担っています。

川口氏の研究や教育、そして地域活動は高く評価されており、数々の賞を受賞しています。2009年には「全国団地景観サミット2009」のフォトコンテストで銅賞を受賞し、景観への洞察力が認められました。2010年には「続大阪『かくれたええとこ』再発見コンクール」で入選するなど、地域の隠れた魅力を発見する取り組みも評価されています。教育面では、2012年に「社会人基礎力育成グランプリ」で優秀指導賞を受賞し、学生指導における優れた手腕が示されました。学術分野では、2011年に「ひがしんビジネス大賞」学術奨励部門特別賞、2013年と2015年には「日本造園学会関西支部賞」ポスター発表の部を受賞するなど、研究成果も高く評価されています。さらに、地域貢献活動においても、2016年に「公園・夢プラン大賞」実現した夢部門入賞、2018年には「人生100年時代の社会人基礎力グランプリ」審査員特別賞を受賞するなど、その多角的な貢献が認められています。

川口氏は、日本造園学会、日本都市計画学会、日本建築学会、土木学会など、幅広い専門分野の学会・団体に所属し、常に最新の研究動向や技術の交流に努めています。また、共著として、『都市計画部会 アーバン・デザイン甲子園』、『GATEWAY to Urban Design』、『北河内地域における生活環境と環境デザイン原理に関する研究』、『北河内地域の生活環境再構成に関する環境デザイン的研究』など、都市や環境デザインに関する重要な書籍の執筆にも参加しています。

教育者、研究者、そして地域活動の実践者として、川口将武氏は造園・環境デザインの専門知識を活かし、より豊かな地域社会の実現に貢献し続けています。その活動は、教室の中に留まらず、社会の様々な場面で活かされており、今後のさらなる活躍が期待されます。

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