川崎球場

川崎球場（かわさききゅうじょう）：かつてのプロ野球の聖地

川崎球場は神奈川県川崎市川崎区に存在した野球場であり、かつて数々のプロ野球の興奮を生んだ場所でありました。この球場は1951年に開場し、初めてのプロ野球公式戦は1952年4月3日に行われた東急フライヤーズ対大映スターズ戦でした。この試合は東急が5-3で勝利を収め、当初より川崎はプロ野球の日程が過密化する中、重要な役割を果たしました。

球場の特性と利用

川崎球場の外野スタンドの広さは公称で両翼90m、中堅120mとされていますが、実際にはかなり狭い設定でした。そのため、ホームランが出やすい球場としても知られ、特に右翼への本塁打は場外に飛び出すことが多々ありました。このことから、1970年代には「王ネット」や「リー・ネット」と呼ばれる防球フェンスが設けられ、観客を守る工夫が行われました。

1957年から1977年までの20年間、大洋ホエールズが本拠地とし、その時代には野球だけでなくアメリカンフットボールの試合も行われるようになったことが特徴的です。照明設備が設けられ、ナイターでも試合が行えるようになったため、観客動員も賑わいを見せました。

ロッテの本拠地時代

1978年から1991年までの14シーズン、ロッテが本拠地を置きました。しかし、世間の期待に反し、観客動員数は下降線を辿り、特に1980年代は観客数が非常に少なく、さまざまな工夫や施策が施されましたが、状況は改善されませんでした。観客が自由に飲食したり、ゆったりと楽しむ姿が見受けられた時代でもありました。

球場の改修と最終決定

1990年代になると、施設の老朽化が問題視され、川崎市は球場の改修に着手します。1989年に開始された改修工事は1991年に完了し、照明設備の改善やスタンドの再塗装、人工芝の敷設などさまざまな改良が施されました。この改修により球場としての魅力が復活したかに思われましたが、川崎市自体には新しい球場の計画が求められました。

しかし、その後ロッテは千葉市に移転することが決まり、1991年が川崎球場でのプロ野球時代の最終年となります。最終戦は熱気あふれる中で行われ、多くのファンに見送られました。

新たな役割

ロッテの移転後も、川崎球場ではアマチュアの試合や地域のスポーツイベントが行われ、新たな使用法が模索されました。2000年には閉鎖され、その後は施設の解体とともに、新たなたてものとしての変遷を迎えていますが、川崎球場が持つ歴史や思い出は多くのファンにとって特別なものであり続けています。

川崎球場は今や新たに「川崎富士見球技場」として生まれ変わり、アメリカンフットボールや多彩なイベントで賑わう場所としての役割を担っていますが、過去の栄光と野球の名場面は今もなお心に刻まれています。

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