川西村 (北海道)

北海道川西村：十勝平野に栄えた村の歴史

北海道帯広市南西部の地域、かつて川西村が存在していました。札内川と戸蔦別川の西側に位置するこの村は、豊かな自然と歴史に彩られた土地でした。この記事では、川西村の地理、歴史、そして交通について詳細に解説します。

川西村の地理

川西村は十勝平野の南西部に位置し、西側には日高山脈がそびえ立っていました。日高山脈を挟んで日高支庁と隣接する、自然豊かな地域です。村内には戸蔦別岳や札内岳などの山々があり、札内川、戸蔦別川、岩内川、帯広川、売買川といった河川が流れていました。これらの河川は、村の農業や生活に欠かせない水資源を提供していました。十勝平野特有の広大な平野と、日高山脈の雄大な自然が調和した景観が特徴的でした。

川西村の歴史

川西村は、大正13年（1924年）2月1日に、当時の大正村から分村して誕生しました。上帯広村の一部と売買村の一部を合わせて、二級町村制に基づく新しい村が成立しました。同年2月8日には、十勝鉄道帯広部線の開通によって、村内各地に駅が開設され、交通の利便性が向上しました。大正14年（1925年）には、鉄道の延伸開業も続き、村の発展に大きく貢献しました。

昭和2年（1927年）、村内の行政区域の再編が行われ、2つの大字から16の字へと細分化されました。上帯広村からは上帯広、別府、基松、広野、八千代の5字が、売買村からは稲田、下稲田、川西、下川西、豊西、富士、清川、上清川、美栄、太平、岩内の11字が誕生しました。昭和4年（1929年）には、十勝鉄道の路線延伸により、さらに交通網が発達しました。しかし、昭和7年（1932年）には、一部路線が廃止されるなど、変遷を繰り返しました。

昭和16年（1941年）には、帯広高等獣医学校（現在の帯広畜産大学）が開校。高等教育機関の進出は、村の文化・教育水準の向上に寄与しました。昭和22年（1947年）には村立川西中学校が開校し、教育環境も整備されました。昭和23年（1948年）には川西農協が設立され、農業振興の中核を担う組織が誕生しました。昭和26年（1951年）には、岩内の一部から拓成という新しい字が分立しました。

そして、昭和32年（1957年）4月1日、川西村は大正村とともに帯広市に編入され、消滅しました。川西村の全域は帯広市川西町となり、新たな歴史の幕開けとなりました。昭和38年（1963年）には、川西町は17の町に再編され、今日の帯広市の基礎が築かれました。

川西村の交通

川西村が廃止された時点では、十勝鉄道帯広部線が村の中心的な交通手段でした。十勝稲田駅、川西駅、豊西駅、藤駅、美栄駅、十勝清川駅、上清川駅、南大平駅、戸蔦駅など、多くの駅が村内に設置されていました。また、藤駅から分岐する路線も存在し、基松駅、常盤駅、上帯広駅、広野駅、上広野駅、八千代駅など、村内各地を結んでいました。これらの鉄道網は、村の産業や生活を支える重要な役割を担っていました。

まとめ

川西村は、十勝平野の豊かな自然の中で発展してきた村でした。鉄道の開通や高等教育機関の進出など、様々な出来事を経て、発展を遂げました。しかし、昭和32年の帯広市への編入によって、川西村としての歴史は幕を閉じました。現在では帯広市の一部として、その歴史と自然は受け継がれています。

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