川越氷川祭

川越氷川祭（川越まつり）

川越氷川祭は、埼玉県川越市の川越氷川神社で毎年10月に行われる例祭で、一般には「川越まつり」として知られています。石岡のおまつり、佐原の大祭とともに、関東三大祭りの一つに数えられ、毎年多くの観光客で賑わいます。

概要

360年以上の歴史を持つこの祭りは、国の重要無形民俗文化財に指定されており、2016年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されました。川越の街が一年で最も賑わう二日間で、その期間中は80万人以上の人々が訪れます。

歴史

川越氷川祭の起源は、寛永15年（1638年）の川越大火からの復興に尽力した川越藩主、松平信綱が慶安元年（1648年）に氷川神社へ神輿などを寄進したことに始まります。その後、経済的に発展した川越の商人たちが、江戸の天下祭の影響を受けながら独自の祭り文化を築き上げました。特に、人形山車は川越まつりの象徴として発展し、現在にまでその姿を伝えています。

江戸時代から「小江戸」と呼ばれた川越は、祭り文化においても江戸の影響を強く受けています。東京の祭りが時代とともに変容する中で、川越まつりは江戸天下祭の伝統を色濃く残しており、その点でも貴重な存在です。

日程

かつては10月14日・15日に行われていましたが、1997年からは10月第3土曜日とその前日の日曜日に開催されるようになりました。2022年には、川越市制施行100周年を記念して、市内すべての山車29台が参加しました。

特徴

川越まつりの最大の特徴は、豪華絢爛な山車が曳き回されることです。これらの山車は、江戸型の様式を今に伝える貴重なもので、各町内の象徴として大切にされています。山車の上には、神話や歴史上の人物を模した人形が飾られ、祭りに華を添えます。

山車の曳き回しは、順路が決まった巡行ではなく、各町内が独自に行います。そして、山車同士が道ですれ違う際には、「曳っかわせ」と呼ばれる山車を向かい合わせる儀式が行われます。この曳っかわせは、祭りの見どころの一つであり、夜には特に盛り上がりを見せます。

囃子も川越まつりの重要な要素です。江戸囃子の流れを汲む独特の音色は、祭りの雰囲気を一層高めます。山車ごとに囃子連が乗り込み、祭りの期間中、街中にその音色が響き渡ります。

みどころ

曳っかわせ: 山車同士が向かい合い、囃子を競い合う曳っかわせは、川越まつり最大の見どころです。
山車: 精巧な装飾が施された山車の数々。人形や彫刻など、細部にまで注目して鑑賞したいポイントです。
* 蔵造りの町並み: 蔵造りの町並みを背景に山車が曳かれる光景は、江戸時代の雰囲気を色濃く残しています。

文化財

川越氷川祭の山車行事は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。また、山車の中には埼玉県指定有形民俗文化財や川越市指定有形民俗文化財に指定されているものもあります。

常設展示

川越まつり会館では、まつりの歴史や山車に関する資料が展示されています。また、川越市立博物館でも、山車の製作方法などを見ることができます。

川越まつりは、川越の歴史と文化が凝縮された、魅力あふれる祭りです。ぜひ一度、その熱気を肌で感じてみてください。

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