川﨑雅司

川﨑 雅司 (かわさき まさし)

川﨑雅司は、1961年12月15日に生まれた日本の著名な物理学者で、酸化物エレクトロニクスと量子マテリアルを専門としています。彼は工学博士の学位を持ち、現在は理化学研究所の理事を務め、東京大学大学院工学系研究科の教授としても教鞭をとっています。

来歴

川﨑は大阪府東大阪市で育ちました。私立学校の東大寺学園高等学校を経て、1984年に東京大学工学部合成化学科を卒業しました。その後、1989年に同大学の大学院で化学エネルギー工学を専攻し、博士号を取得しました。まもなく、日本学術振興会の特別研究員として日立製作所中央研究所での勤務を開始し、アメリカのIBM Thomas J. Watson研究所に博士研究員として移りました。

1991年には東京工業大学の助手に就任し、1997年からは物質科学創造専攻で助教授として活躍。その間、1994年には酸化物単結晶基板の表面平坦化に関する技術を開発し、酸化物薄膜の成長方法の向上に成功しました。また、1997年には酸化亜鉛を用いた励起子紫外レーザーの発振にも成功しました。

2001年からは東北大学の金属材料研究所の教授に着任しました。この職務を持ちながら、2002年から2004年まで東京大学の応用化学専攻でも教授として教鞭をとりました。これに続き、2004年には電流注入型発光ダイオードの開発に成功し、2007年には酸化亜鉛の超清浄薄膜界面を利用して、酸化物では初めて量子ホール効果を観測しました。

彼の研究は、量子相エレクトロニクスや物理工学の分野にも広がり、2011年には東京大学での教授職を続ける一方で、極めて特殊な量子状態である偶数分母量子ホール効果の観測に成功し、トポロジカル量子計算の可能性を示唆しました。2025年には理化学研究所の理事に任命される予定です。

併任の役職

川﨑は、さまざまな研究機関でも重要な役割を担ってきました。1992年から1994年までの新技術事業団さきがけ研究員を始め、韓国光州科学工科大学の客員教授や、物質･材料研究機構でのコンビナトリアル化合物機能開発グループリーダーなど、多岐にわたる職務を務めました。また、理化学研究所では複数の研究グループのチーム長を歴任し、産業技術総合研究所でも重要な役職を務めています。さらに東京大学では総長特任補佐としても活躍し、IBM東大ラボのラボ長も務めます。

受賞歴

川﨑の業績は多くの賞によって評価されており、1997年の超伝導科学技術賞や2001年の丸文研究奨励賞、2015年の応用物理学会フェロー表彰など、彼の研究成果に対する評価は非常に高いです。また、2020年には紫綬褒章を受章しました。彼の研究は、酸化物エレクトロニクス、特に薄膜の原子レベルでの精密制御に関するもので、これが新しい電子機能の開拓に寄与しています。

結論

川﨑雅司の研究は、現代の物理学において重要な役割を果たしています。彼の業績や研究は、次世代の技術発展に寄与することが期待されています。

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