巡視艇

巡視艇（じゅんしてい）

巡視艇は、海上保安庁が運用する小型の船舶で、主に基地周辺の海域において警備や救助活動に従事しています。これらの船は特に沿岸地域の安定を保つために重要な役割を果たしています。これまでの歴史や船舶の種類について解説します。

歴史と名称の変遷

巡視艇の歴史は、海上保安庁の創設当初に遡ります。アメリカの極東委員会からの影響を受け、巡視船の性能や数量に制限が課せられていました。そのため、港内艇という名称で制限を回避し、港内に限定されない沿岸の斥候を任務に持つ構想が生まれました。1957年1月1日、正式に現在の「巡視艇」という名称に変更されました。

初期の艦艇と設計変更

初めて建造されたのは昭和24年度の15メートル型（そよかぜ型）で、基地周辺の海域の哨戒を果たすために設計されました。当初はH（Harbor boat）と分類されていましたが、1949年には新たに大きさに基づいてCL（Craft large）やCS（Craft small）に区分されました。続いて昭和25年度には、さらに大型の23メートル型（はつなみ型）の建造が始まり、1951年にはPC（Patrol craft）という新しい分類が設けられました。

艦艇の進化と新設計

その後、15メートル型CLは基本設計を維持しつつも、いくつかの艤装変更が行われ、昭和50年度計画まで39隻が建造されました。艇名には、はるかぜ型、やかぜ型、ちよかぜ型、のげかぜ型などがあります。1970年代に入ると、設計の改訂が行われ、新たな基準や民間船の高速化に対応するために、昭和52年度以降の建造ではやまゆり型という新しい設計に移行しました。こちらは非公式に18メートル型と呼ばれ、さらにその後の建造分では公称船型が20メートル型に変更されたすずかぜ型に移り変わりました。

各種パトロール艇の多様性

PCは通常の23メートル型に加え、特に昭和48年度からは航路哨戒用の特23メートル型が整備され、 additionally, 昭和52年度からはむらくも型と呼ばれる30メートル型の領海警備用の艇も登場しました。平成4年度計画においてはさらに大型の35メートル型（はやなみ型）が建造され、航路哨戒用としての能力も向上しています。

まとめ

巡視艇は海上保安庁の重要な船舶であり、長年にわたりその設計や機能が進化してきました。これにより、多様な任務に柔軟に対応し、国土の安全保障に寄与しています。巡視艇の歴史とその進化は、海上保安庁の運用の基本となり、これからも重要な役割を担っていくことでしょう。

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