工藤敬一

工藤敬一の経歴と業績

工藤敬一（くどう けいいち）は、1934年3月に熊本県の鹿本郡来民町（現在の山鹿市鹿本町）で生まれた日本史学者です。1956年に京都大学文学部の史学科を卒業し、その後同大学院の文学研究科博士課程に進みました。1961年には博士課程の単位を取得し退学、その後1968年に「九州荘園の構造と特質」というテーマで文学博士の学位を取得しました。

工藤氏は1962年から熊本大学で講師として教鞭をとり、助教授、教授を経て、1999年に定年退官し名誉教授の称号を受けました。その後は九州産業大学の国際文化学部で教授として活動し、2004年に退職しました。

研究の主なテーマ

工藤氏の研究は、主に中世日本、特に九州地方における荘園制度に関するものです。彼の著作の中では、以下のいくつかの作品が特に重要とされています：

• - 『九州庄園の研究』（1969年、オンデマンド版2011年）

これは、九州における荘園制度の基本的な構造と特徴を探るもので、工藤氏の研究の基盤を形成した重要な著作です。

• - 『荘園の人々』（1978年、ちくま学芸文庫2022年）

荘園に関与した人々の日常や社会的役割について述べられています。

• - 『北条時宗 執権政治と蒙古襲来』（1978年）およびその改訂版（2000年）

これは、北条時宗の政治と彼の時代における歴史的事件を詳細に分析しています。

• - 『荘園公領制の成立と内乱』（1992年）

荘園と公領制の形成過程に関する研究で、日本の歴史を理解する上での貴重な資料となっています。

• - 『中世古文書を読み解く 南北朝内乱と九州』（2000年）

この著作では、中世の古文書に基づき南北朝内乱の詳細が検討されています。

• - 『荘園制社会の基本構造』（2002年）

荘園制度に関する基本的な構造を解説した、歴史科学叢書の一部として知られています。

共編著

工藤氏は、共編著としても多くの書籍を手がけています。著名なものには以下のタイトルがあります：

• - 『熊本 人とその時代』（1993年）
• - 『図説 熊本県の歴史』（1997年）
• - 『東アジアの文化構造』（1997年）
• - 『熊本県の歴史 県史43』（1999年、新版2012年）
• - 『中世熊本の地域権力と社会』（2015年）

これらの共編著は、熊本地域の歴史的文脈を豊かに理解する手助けとなる資料です。

工藤敬一氏の業績と著作は、日本の歴史学界において非常に大きな影響を与えており、彼の研究は後生にわたり多くの学者に受け継がれています。彼の専門性や業績は、日本の歴史を深く理解するための重要な鍵となるでしょう。

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