工藤祐継

工藤祐継（1120年 - 1162年）は、平安時代後期の武士であり、工藤祐隆の子として生まれました。工藤祐経、宇佐美祐茂らの父でもあります。工藤滝口祐継、伊東祐継、工藤祐次とも呼ばれました。

本来、祐継は祐隆の嫡子ではありませんでしたが、兄である伊東祐家の早世などにより、伊東荘を与えられ、工藤氏の家督を継ぐこととなりました。この背景には、複雑な事情があったと推測されています。

『吾妻鏡』などの史料によれば、祐継は亡くなる際、子の祐経が元服した暁には、伊東祐親の娘である万劫御前と結婚させることを約束したとされています。これにより、祐親は祐経の後見人となりました。しかし、祐親は、本来嫡流ではない祐経が家督を継いだことに不満を抱いており、祐継の死後、祐経の領地を没収してしまいます。この行為が、後の曽我兄弟の仇討ちへと繋がる一因になったとも考えられています。

『曽我物語真名本』によれば、祐継は43歳で亡くなったとされ、当時、祐経は9歳でした。幼い祐経は、父の死後、後見人である伊東祐親に翻弄されることとなり、その後の人生に大きな影響を受けました。

工藤祐継は、工藤氏の家督を継承しながらも、その死後、子の祐経が苦難に見舞われるという、歴史の転換点に位置する人物と言えるでしょう。

参考文献：
『史伝史話』(1925年、交友社)
『曽我物語-その表象と再生』(2004年、笠間書院)
* 『吉原市史』(1968年、富士市)

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