巽和夫

巽 和夫（たつみ かずお）

巽和夫は、1929年10月31日に京都府京都市に生まれ、2012年11月6日に83歳で亡くなった日本の建築学者です。彼は建築学の専門家として特に建築生産論やハウジング論において顕著な業績を残しました。京都大学の名誉教授であり、福山大学でも名誉教授として活動しました。また、巽和夫建築研究所の代表取締役も務めました。

学歴と職歴

巽は、1953年に京都大学工学部建築学科を卒業後、1962年に同大学院の博士課程を修了し、工学博士の学位を取得しました。その後、京都大学工学部に助手として勤務し、建設省の建築研究所でも研究員として活躍しました。1966年からは助教授として京都大学に勤務し、1968年には教授に昇格しました。

彼は大学において、建築の生産性や資源問題に着目し、「ハウジング論」という新たな研究領域を切り開きました。多くの研究者と共に「高層集合住宅研究」や「都市型ハウジングシステム研究」を推進し、その成果が多くの実験的プロジェクトに結びつきました。

業績と貢献

巽は、建築ストックの運営管理に関する「団地マネジメント」の nghiên cứuを進めるなど、数多くの建築に関する研究プロジェクトを指導しました。1993年には京都大学を退官し、その後は福山大学で教授として教鞭を執り、大学院工学研究科の長も務めました。彼は1992年に都市住宅学会の初代会長に就任し、その任期を10年間務めた後、名誉会員および顧問に任命されています。

彼の業績は数々の賞にも表れています。日本建築学会賞や建設大臣表彰、さらには計画行政学会計画賞など、多くの栄誉を受けています。また、住まい・まちづくり活動推進協議会の会長や住宅リフォーム推進協議会の会長としても活動し、より良い住環境の実現に寄与してきました。

2005年には構造計算書偽造問題に対する緊急調査委員会の座長を務め、社会的な問題に対する行政対応について検証を行いました。

死去と受章

巽和夫は2012年11月6日に逝去し、同日に瑞宝中綬章を受章するという形で、その生涯を締めくくりました。

主な著書

彼は多くの著書を著し、建築に関するさまざまな分野での知見を広めました。代表的な著書には『現代ハウジング論』や『住宅を計画する（住環境の計画）』、また『現代社会とハウジング』などがあり、これらは日本の建築・ハウジング分野における貴重なリソースとなっています。

彼の研究は今なお多くの建築学者や実務者に影響を与え続けており、巽和夫の思想や理念は、日本の住環境の改善に貢献しています。

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