市川孝徳

市川孝徳

市川孝徳（いちかわ たかのり）は、1990年11月3日生まれ、高知県高岡郡四万十町出身の陸上競技選手です。高知工業高校、東洋大学経済学部を卒業後、トヨタ紡織、日立物流グループに所属していました。

身長177cm、体重51kgと、長距離選手としては恵まれた体格の持ち主で、3000mでは東洋大学記録保持者でもあります。その実績と人柄から多くのファンに愛されています。

陸上競技との出会い

市川選手が陸上競技を始めたのは、意外にも高校に入学してからでした。小学1年生から9年間続けていたサッカーを中学3年生の時に駅伝大会に誘われたことをきっかけに辞め、高校から本格的に陸上を始めました。

高知工業高校時代には3年連続で全国高校駅伝に出場。2年時には1区、3年時には4区と主要区間を任されましたが、目立った成績は残せませんでした。

大学駅伝での活躍

東洋大学に進学後、1年時は目立った成績を残せませんでしたが、下り坂での適性を見込まれ、第86回箱根駅伝で6区を担当。前半は快調な走りを見せましたが、後半に失速し区間9位に終わりました。それでも、トップを死守し、チームの2連覇に貢献しました。

2年時の第87回箱根駅伝でも再び6区を担当し、早稲田大学の選手との競り合いの末、惜しくも敗れてしまい、チームも総合2位に終わりました。この悔しさをバネに、東洋大学陸上競技部のチームスローガン「その1秒をけずりだせ」が生まれました。

3年時は大学三大駅伝にフル出場。第23回出雲駅伝5区では区間賞を獲得しチームの優勝に貢献。第43回全日本大学駅伝では7区区間2位と好走するも、チームは駒澤大学との激しい優勝争いに敗れました。第88回箱根駅伝6区では、59分16秒の好タイムで区間賞を獲得し、チームの完全優勝に大きく貢献しました。

4年時には副将に就任。主将の齋藤貴志選手と共にチームを支える立場となりました。齋藤選手が怪我で駅伝メンバーから外れたため、急遽、駅伝主将を任されることとなりました。第23回出雲駅伝では2区で4人抜きの快走を見せ、第44回全日本大学駅伝では6区で区間新記録（区間2位）を樹立しましたが、チームは8区で逆転を許し、またも2位に終わりました。第89回箱根駅伝6区では、区間4位とまとめましたが、チームは総合2位。2012年度の大学三大駅伝は全て2位という結果になりました。

実業団での挑戦

大学卒業後はトヨタ紡織に入社するも1年で退社。その後、日立物流グループに移籍し競技を続けました。

2014年の第55回東日本実業団駅伝では1区区間11位。第56回東日本実業団駅伝では6区区間12位で、チームを6位から5位に押し上げました。2016年の第60回全日本実業団駅伝では1区区間29位。2016年4月の金栗記念選抜中・長距離熊本大会5000mでは自己ベストとなる13分28秒91を記録。同年の第100回日本選手権5000mで7位入賞。2017年の第101回日本選手権5000mでは5位入賞を果たしました。

2022年2月28日付で日立物流グループ陸上部を退部しました。

人柄とエピソード

市川選手は5人兄弟の末っ子で、「スーパーポジティブ」と評されるほどの前向きな性格の持ち主です。どのような状況でも、常に前向きな姿勢を崩さず、周囲を明るくする存在として知られています。

また、第88回箱根駅伝では、シューズの中に粉の洗剤を入れるという独自の対策で足のダメージを軽減し、万全の状態でレースに臨んだというエピソードも残っています。

主な記録

3000m：東洋大学記録保持者
5000m：13分28秒91
箱根駅伝6区：59分16秒（2回）

外部リンク

市川孝徳選手に関する情報

まとめ

市川孝徳選手は、その類まれなポジティブ思考と、ひたむきな努力で、陸上競技界に数々の足跡を残しました。大学駅伝、実業団駅伝、トラックレースと、様々な舞台で活躍し、多くの人々に感動を与えました。今後の活躍も期待されます。

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