市民のうた (稚内市)

市民のうた

「市民のうた」（しみんのうた）は、北海道稚内市が制定した市民歌であり、作詞は新井明夫、補作は吉田弘、作曲は上原賢六によってなされました。この歌は、1968年（昭和43年）に稚内市が開基90周年と市制20周年を祝うために制作されました。

歴史と制定の背景

この市民歌の制定は、同年の4月1日に策定された「稚内市市民憲章」に続く形で行われました。市民憲章と同時に、市民歌の歌詞を募集する懸賞も実施され、188篇の応募作から選ばれたのが「市民のうた」と「ふるさとを愛する」という2篇です。特に「市民のうた」の歌詞は、地元の文学者でもある吉田弘によって補作され、地域に深い愛着を持つ作品となりました。

初演と市民の反応

「市民のうた」の初演奏は、1968年5月5日に行われた市民憲章制定記念式典で実施されました。この式典では、入選者への表彰が行われ、参加者全員が一緒に「市民のうた」を合唱する光景が広がりました。この情熱的な瞬間は、市民にとって特別な思い出となり、歌は地域のシンボルとして根付くことになりました。

銘記された資料

「市民のうた」の歌詞や楽譜は、1972年に刊行された『稚内市民のスポーツ意識』に収められていますが、稚内市の公式サイトでは未だに紹介されていないようです。これは、市民歌が地域の文化の重要な側面であるにもかかわらず、そのアクセスが限られていることを示しています。

ふるさとを愛するとの関係

さらに、「市民のうた」と同時に選ばれた「ふるさとを愛する」という市民歌もありますが、こちらの作詞は藤林満夫が行い、補作は同じく吉田弘、作曲は上原賢六が担当しています。両市民歌は、特に用途の違いが明示されておらず、稚内市民にとってどちらも同じように愛される存在となっています。

参考文献

市民歌の詳細については、いくつかの参考文献が存在します。松坂弘康による『稚内市民のスポーツ意識』（稚内市教育委員会、1972年）や、稚内市史編さん委員会による『稚内市史』第2巻（稚内市役所、1999年）、中山裕一郎による『全国 都道府県の歌・市の歌』（東京堂出版、2012年）などが挙げられます。これらの文献には、稚内市の音楽文化や市民歌の位置づけが詳述されています。

関連項目

また、稚内市の市民歌に関連し、北海道の市町村歌一覧も興味深い情報源となり、多くの地域で独自の市民歌が存在することを知ることができます。人気がある市町村歌は、地域のアイデンティティを形成する大切な要素であり、今後も多くの市民に親しまれ続けるでしょう。

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