市田宏

市田宏（いちだひろし）は、1992年6月16日生まれ、鹿児島県鹿児島市出身の陸上競技選手です。長距離走を専門とし、その卓越した走力で数々の記録を打ち立ててきました。鹿児島市立吉野中学校、鹿児島実業高校、大東文化大学を卒業後、旭化成陸上部に所属しています。

特に注目すべきは、双子の兄である市田孝との活躍です。二人は中学校から実業団まで同じチームに所属し、常に切磋琢磨しながら競技生活を送ってきました。

中学時代

中学時代から、市田兄弟は世代トップ選手としてその名を馳せました。中学3年時には、全日本中学校選手権とジュニアオリンピックの3000mで、孝が優勝、宏が準優勝というワンツーフィニッシュを達成。その圧倒的な強さは、同世代の選手たちに大きな衝撃を与えました。後に台頭する村山謙太・紘太兄弟も、彼らのワンツーフィニッシュを見て、「3000mで1分も速い上に、自分たちと同じ双子だ」と驚愕したと語っています。

また、中学3年時には、全国都道府県対抗駅伝に鹿児島県代表として出場。宏は中学生区間の6区で区間賞を獲得し、孝も2区で区間2位と、兄弟でその実力を示しました。

高校時代

鹿児島実業高校に進学後も、市田兄弟の活躍は続きます。高校3年時には、全国高校駅伝で宏が6区を担当し区間賞を獲得。1区で区間2位と好走した孝と共に、チームの初優勝に大きく貢献しました。

大学時代

大東文化大学に進学した市田兄弟は、当時低迷していたチームを牽引。2年時の第89回箱根駅伝予選会で3年ぶりに予選を通過させました。本大会では、宏が1区で区間5位と好走。3年時の第90回大会では、1区を宏、2区を孝が担当し、序盤から流れを作り、チームの5年ぶりのシード権獲得に貢献しました。4年時の第91回大会では、宏が5区で3人抜きの区間4位と好走。2年連続でのシード権獲得に貢献しました。

実業団時代

2015年4月、市田兄弟は、鹿児島実業高校時代のチームメイトや同じ鹿児島県出身の選手たちと共に、旭化成に入社しました。同年11月の九州実業団毎日駅伝では、孝が2区、宏が3区を担当し、実業団でも双子でのタスキリレーが実現。チームの3年ぶりの優勝に貢献しました。

2016年2月のクロカン日本選手権では、孝が優勝、宏が7位入賞を果たし、団体でも優勝を飾りました。2017年のニューイヤー駅伝では、宏が6区で区間新記録を樹立する快走を見せ、チームの18年ぶりの優勝に貢献。その後、チームは3連覇を達成し、宏も6区で3年連続区間賞を獲得しています。入社5年目の2020年ニューイヤー駅伝では、3区で区間9位ながら、チームの4連覇に貢献しました。

市田宏は、その卓越した走力と駅伝での勝負強さで、今後も陸上界での活躍が期待される選手の一人です。


主な戦績

実業団駅伝戦績


出典

外部リンク

プロフィール　市田 宏　いちだ ひろし - 旭化成

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