市立竹原書院図書館

市立竹原書院図書館

市立竹原書院図書館は、広島県竹原市にある公共の図書館です。1910年に設立されたこの図書館は、地域の歴史と文化を反映しながら、今日に至るまで多くの人々に利用されています。初めての設立は社団法人として行われ、1929年には地域自治体に引き継がれました。それ以来、図書館は地域の知識の宝庫としての役割を果たしています。

図書館の沿革

竹原書院の起源は、竹原市が「安芸の小京都」と称されるに相応しい学問の町であったことに由来します。ここでは多くの優れた学者や文化人が活動し、特に儒学者の塩谷道碩による私塾が開かれていました。しかし、1764年に道碩が急逝したことで、教育の場が失われました。1793年、道碩の弟子である頼春水によって新たな学びの場が開かれ、これが竹原書院の始まりとなります。この歴史ある塾は、当時の文化や教育を受け継ぐ重要な存在でしたが、1813年の火災によって一時消失しました。

1910年には竹原町の有志が社団法人竹原書院を設立し、再び図書館活動を始めます。1929年には、その蔵書が賀茂郡竹原町に移管され、町立図書館竹原書院と改称されました。その結果、町は洋風の新しい建物を建設し、更なる発展を遂げました。

1958年には竹原町と忠海町の合併に伴い、竹原市が発足し、図書館は市立竹原書院に名称を変更します。1960年には現在の名称に改名され、時代の変遷に対応した図書館として地域活動に貢献してきました。1971年には竹原福祉会館内に移転し、図書館の機能を更に充実させています。

現代の図書館の様子

1998年以降、図書館は他の市町との広域相互利用を開始し、利用者にとってアクセスの良い環境を提供しています。2009年には子どもの読書活動に対して表彰を受けるなど、地域の発展と福祉に寄与する図書館として評価されています。そして、2020年にはフジ竹原店内に新たに移転し、より利用しやすい形でのサービスを提供しています。

所蔵資料の特長

竹原書院図書館の特色は、慶安3年から1960年までの竹原塩田に関する貴重な資料や、頼山陽に関連する作品を多数所蔵している点です。頼山陽文庫のほかにも、橋本曇斎資料や各種寄贈文庫も揃えており、地域の歴史と文化の資料が揃っています。特に、福田社倉に関連する文書も保存されており、地域の史跡としても重要な役割を果たしています。

利用について

利用者は、毎週月曜日と月末、国民の祝日、特別整理期間及び年末年始においては休館となりますが、それ以外の日は午前10時から午後6時まで利用可能です。市立竹原書院図書館は、地域の文化と教育の促進のため、今後もますます発展していくことでしょう。

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