布告

布告とは

布告（ふこく）は、明治時代初期において日本の法律の一形態として使用されました。特に、明治4年7月29日（西暦1871年9月13日）に制定された「正院事務章程」がその制度の基礎を築きました。この章程により、全国に広く布告されるべき制度や条例、さらには勅旨や特例に基づく法令の発令は、主に太政官に属すると定められました。重要性があまり高くない法令については、各官省が発令することが認められました。その結果、太政官から出される重要な法令は「（太政官）布告」と称され、それ以外の官省からの法令は「布達」とされるようになりました。

当初の段階では、布告と布達は混用されていましたが、明治6年（1873年）に布告と布達に関する書式や手続きが具体的に定められました。これにより、国民に対して発令される太政官の「布告」と各省からの「布達」、さらには上級官省から下級機関に発令される「達」の区別が次第に広まりました。このようにして、明治時代の法体系における用語の利用が整理されていったのです。

その後、明治14年（1881年）12月3日に太政官達が出され、法律形式における重要な変更が行われました。この改正により、法律や規則は太政官から「布告」として発令されることが定められ、各省が以前に発令していた条規などに関しての権限は太政官に移されました。さらに、一時的な効力を持つ規定については「告示」という名称に改められ、諸省卿から府県長官への指令は「達」とされることになりました。

次に、明治19年（1886年）2月26日に制定された公文式により、法律は「法律」と「命令」の2種類に分類され、法律形式の「布告」は廃止されました。この結果、法律や勅令の公布、閣令などの命令の発令は「布告」と呼ばれることになりました。

このようにして、布告の制度は明治時代日本の法律システムの中で重要な役割を果たし、その後の法令発布の方式や官公庁の運営に影響を与えることとなりました。多くの法的手続きが整備される中で、布告という法律の形式は歴史的に重要な位置を占めていたのです。

参考文献

• - 向井健「布告」（『国史大辞典 12』（吉川弘文館、1991年）ISBN 978-4-642-00512-8）

関連項目

• - 達

もう一度検索