布村昇

布村昇（ぬのむら のぼる）氏は、1948年に富山市で生まれた日本の動物学者です。彼の専門は、ワラジムシ目の分類学であり、この分野において長年にわたり顕著な業績を上げてきました。

京都大学大学院を修了後、布村氏は大阪市立自然史博物館の学芸員としてキャリアをスタートさせました。その後、彼は富山市科学文化センター（現在の富山市科学博物館）に移り、学芸員として活躍しました。1998年には、富山市科学文化センターの館長に就任し、博物館の発展に大きく貢献しました。2012年には、富山市売薬資料館の館長も務めました。

布村氏の研究は、ワラジムシ目の分類に焦点を当てており、日本国内のワラジムシ相の解明に大きく貢献しています。彼の研究は、学術的な価値だけでなく、一般の人々にもワラジムシの多様性と生態に関する理解を深める上で重要な役割を果たしています。

著書も多数あり、主なものとして、『ダンゴムシ』（集英社、2004年）、『だんごむし』（フレーベル館、2007年）などがあります。これらの書籍は、子供から大人まで幅広い層にワラジムシの魅力を伝えています。また、『土壌動物学への招待』（東海大学出版会、2007年）では、金子信博氏らと共同で編集を行い、土壌動物学の普及に貢献しました。さらに、『富山湾読本』（北日本新聞社、2012年）では、藤井昭二氏、米原寛氏と共に監修を務め、地元の自然に関する知識の普及に尽力しました。

布村氏の業績は高く評価されており、「とやま賞」を受賞しています。また、彼は自らの研究について、「45年間ワラジムシを研究して」というタイトルの記事を『とやまと自然』に寄稿しています。この記事では、彼の長年にわたる研究の軌跡と、ワラジムシに対する深い愛情が語られています。

布村昇氏は、ワラジムシ研究の第一人者として、学術界だけでなく、一般社会にも大きな影響を与えています。彼の研究と教育活動は、日本の動物学の発展に大きく貢献していると言えるでしょう。

もう一度検索