布田川・日奈久断層帯

布田川・日奈久断層帯

布田川・日奈久断層帯（ふたがわ・ひなぐだんそうたい）は、主に熊本県内と一部が鹿児島県北部に位置する、2つの活断層帯の総称です。この断層帯は、全長約101kmであり、九州で最も長い活断層とされています。九州の活断層の中でも特に横ずれ断層が含まれており、これが地震に与える影響については現在も研究が進められています。

断層の構成

布田川断層帯と日奈久断層帯の2つから成り立つこの断層帯は、以下のようにいくつかの主要な区間に分かれています。

1. 布田川断層帯の構成：
- 布田川区間：南阿蘇村から益城町木山付近までで約19km。
- 宇土区間：益城町木山から宇土市中心部までおおよそ20km。
- 宇土半島北岸区間：宇土市住吉町から宇土半島の先端まで、長さは約27km以上。

2. 日奈久断層帯の構成：
- 高野−白旗区間：益城町木山から宇城市豊野町山崎まで約16km。
- 日奈久区間：宇城市豊野町山崎から芦北町御立岬までおおよそ40km。
- 八代海区間：御立岬から八代海南部まで約30km。

両者の断層帯は益城町木山付近で接触しており、これにより相互に影響を及ぼす可能性があります。

地震とその影響

2016年に発生した熊本地震は、この布田川・日奈久断層帯の活動が原因である可能性が高いとされています。地震調査研究推進本部の地震調査委員会は、地震発生直後からこの関連性を指摘し、震源となった断層の範囲が想定よりも広いとの評価を行いました。

同地震では、布田川断層帯の布田川区間が動いたことが確認され、一連の地震活動がこの2つの断層帯の連動によるものであるとされたことから、注意が必要です。

天然記念物の指定

熊本地震により、地表に現れた断層は重要な学術的価値を持つとして、益城町内の3ヶ所が天然記念物に指定されました。これらは、未来への地震の教訓として重要視され、国の天然記念物として保護されています。

まとめ

布田川・日奈久断層帯は、九州における地震のリスクを考える上で重要な地質構造です。その特徴や関係する地震の影響を理解することは、地域の防災や災害対策において欠かせない要素となっています。今後もこの断層帯の研究が続けられることで、より詳細な知見が得られることが期待されています。

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