帝室林野局

帝室林野局について

帝室林野局（ていしつりんやきょく）は、明治時代から昭和戦前期にかけて存在した宮内省の外局であり、主に皇室の財産である御料林の管理と経営を行っていました。その起源は1885年に設置された御料局（ごりょうきょく）に遡ります。この機関は、当初から皇室の資産を適切に維持し、発展させることを目的として設立されました。

御料局時代

帝室林野局の起源は、1885年12月23日に設置された宮内省御料局にありました。この局は、官有の山林や原野を御料林として転換し管理することを目指していました。初めての御料林の編入作業が本格的に始まったのは、1888年から1890年頃です。この期間は、御料林の境界の査定や測量が中心作業となり、実際の経営が始まったのは1897年頃でした。

帝室林野管理局時代

1908年には、執行機関としての御料局は再編成され、帝室林野管理局として新たにスタートしました。この時点で、局は9課（常設は7課）を持ち、さらに地方には7つの支庁と47の出張所を設置しました。しかし、1914年には支庁制が廃止され、支局は札幌、東京、名古屋、木曾、そして京都の5つに集約されることとなりました。1921年には東京支局と京都事務所が廃止され、本局が直接管轄する12の出張所を新たに設置したりするなど、組織の効率的な運営が進められました。

帝室林野局時代

1924年、名称が帝室林野局に改められ、再度東京支局が設置されました。同年以降も、御料林の拡張に応じて本局は組織を変革し続け、1937年には2部7課制に移行し、旭川支局を設置して5つの支局と57の出張所から成る体制が整いました。

戦後の編入

しかし、第二次世界大戦後、GHQの指導に基づいて宮内省の組織縮小が求められ、また農林省与えて林野行政に関連する対立を回避するために「林政統一」論が急速に進展しました。その結果、1947年3月31日をもって帝室林野局は廃止され、従来管理されていた御料林は翌日から農林省林野局（後の林野庁）へと編入されました。

歴代長官

帝室林野局には数世代の長官が在職しており、その時期ごとの政策や課題が存在しました。これにより、それぞれの時代での林野の管理方針が影響を受け、皇室資産の管理がどのようにして行われてきたのかが浮き彫りになっています。

参考文献

• - 戦前期官僚制研究会編『戦前期日本官僚制の制度・組織・人事』（東京大学出版会、1981年）

このように、帝室林野局は日本の皇室財産の管理やその後の日本の林野政策に影響を与えた重要な機関であったことがわかります。

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