帰らざる波止場

映画『帰らざる波止場』

『帰らざる波止場』（かえらざるはとば）は、1966年8月13日に日活が配給したムードアクション映画です。監督を務めたのは江崎実生で、主演には名優石原裕次郎がキャスティングされています。また、志村喬も1942年以来の久々の出演となり、作品に重みを加えています。

ストーリーの概要

物語は、国際的に評価されるジャズピアニストである津田史郎が日本に帰国したところから始まります。帰国後、津田は真っ先に恋人に会いに出かけますが、そこで目にしたのは、恋人が他の男性と密会している姿でした。この裏切りに激しく嫉妬した津田は、感情を抑えきれず、思わず拳銃を発射してしまいます。その結果、恋人は命を落としてしまいます。そして、間男からの攻撃によって意識を失った津田は、彼が知らないうちに薬物を運ばされていたことに気がつきます。最終的に、津田は恋人の死の罪で有罪となり、3年間の刑期を受けることになります。

出所後、津田は自分を貶めた者たちへの復讐を誓い、新たな人生を歩み始めます。彼は自らの無実を証明し、復讐を果たすために動き出すのです。津田の心の葛藤と復讐の旅が物語の核心となります。

キャスト

本作のキャストには、津田役の石原裕次郎をはじめ、さまざまな個性豊かな俳優たちが揃っています。水沢冴子役には浅丘ルリ子、江草刑事役には志村喬が演じています。その他にも、イカレ息子や中華街の地回り、タクシー運転手など、多彩なキャラクターが画面を彩り、物語に深みを与えています。

スタッフ

本映画の制作には多くの才能あるスタッフが関わっています。脚本には山田信夫と中西隆三が名を連ね、撮影は横山実が担当しました。また、音楽は伊部晴美が手がけており、映画の雰囲気を引き立てる重要な要素となっています。主題歌「帰らざる波止場」も石原裕次郎が歌唱しており、作品の印象に強く残ります。

『帰らざる波止場』は、愛と裏切り、復讐の感情を描いた深い物語で、多くの人々の心に響く作品といえます。観る者に強いメッセージを伝え、1970年代の日本映画の一つの金字塔として、今もなお評価されています。

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