帰郷/お化けのロック

郷ひろみの1977年9月1日発売シングル「帰郷／お化けのロック」は、ダブルA面としてリリースされた作品です。レコードではA面に「帰郷」、B面に「お化けのロック」が収録されています。

このシングルに収録された2曲は、郷ひろみ自身も主演を務めたTBS系水曜劇場『ムー』のテーマソングとして使用されました。ドラマとのタイアップにより、シングルは大きな注目を集め、郷ひろみの代表曲の一つとして長く親しまれています。

特にB面曲である「お化けのロック」は、当時悠木千帆として活躍していた樹木希林とのデュエットという点でも話題となりました。コミカルな歌詞とメロディー、そしてユニークな振り付けは、多くの人々の心をつかみ、シングルの人気に大きく貢献しました。

興味深いのは、このシングルのジャケットの裏面に「お化けのロック」の振り付けが掲載されている点です。当時、レコードジャケットに振り付けを記載することは珍しく、ファンにとっては貴重な資料となりました。ファンはジャケットを見ながら、一緒に歌って踊ることで、楽曲の世界観をより深く楽しむことができたでしょう。

楽曲制作陣は、作詞を阿木燿子、作曲を宇崎竜童、編曲を萩田光雄という豪華な布陣です。この3名は、数々のヒット曲を世に送り出してきた実力者であり、彼らの才能が「帰郷」と「お化けのロック」という魅力的な楽曲を生み出したと言えます。

「帰郷」は郷ひろみのソロ曲で、ドラマの主題歌としてふさわしい、ドラマチックで力強いメロディーが特徴です。「お化けのロック」は、郷ひろみと樹木希林の絶妙な掛け合いと、コミカルな展開が魅力です。この2曲の対比が、シングルの魅力を高めています。

その後、「お化けのロック」は、ANNA（中村あゆみと相川七瀬によるユニット）によってカバーされました。2019年6月26日に発売されたANNAのミニアルバム『W』に収録されており、オリジナルとはまた違った魅力で聴く人の心を掴みました。オリジナルの持つコミカルな雰囲気はそのままに、ANNAならではの解釈が加えられ、新たな魅力を生み出しています。

「帰郷／お化けのロック」は、郷ひろみのキャリアにおいて重要な作品であり、日本の音楽史においても、70年代の音楽シーンを象徴する一曲として記憶されています。ドラマとのタイアップ、豪華な制作陣、そして樹木希林とのデュエット、そして後のカバーバージョンなど、様々な側面から見ても、このシングルは多くの話題を提供し、長く愛され続けていることが分かります。

もう一度検索