常勝軍

常勝軍 (じょうしょうぐん)

常勝軍は、太平天国の乱の際にアメリカの軍人フレデリック・タウンゼント・ウォードによって創設された、欧米スタイルの傭兵部隊である。この部隊は、中国人兵士と欧米からの指揮官によって構成されていた。

歴史的背景

1860年、ウォードは上海の富裕商人からの資金援助を受け、「洋槍隊」と名付けたヨーロッパ式の軍隊を組織し始めた。最初は欧米人の指揮官と、中国人の兵士からなる少数精鋭の部隊で、戦闘訓練を受けていた。この傭兵軍団は、1860年6月に行われた第一次上海防衛戦で初めて実戦に臨んだ。ただし、その後一度解散することとなった。

再び1861年に新たに結成された常勝軍は、当初の数を大幅に増やし、中国人兵士を4千から5千人徴兵して活動を再開した。この年の2月から始まった第二次上海防衛戦では、英仏連合軍と協調しながら奮闘したことが記録されている。特にその戦功により、1862年3月には清王朝より正式に「常勝軍」の名を賜ることとなった。

日本との関係

また、1862年の5月から2ヶ月間、江戸幕府の使節団として上海に滞在していた高杉晋作らも常勝軍の活躍を目にしており、これが彼らの奇兵隊結成に影響を与えたと言われている。常勝軍の存在は、当時の日本の志士たちにもインスピレーションを与えたのである。

軍の展開と指揮官の死亡

ウォードは1862年9月20日に慈渓の戦いで戦死。彼の後任としてヘンリー・バージェヴィンが指導者となったが、1863年7月には内部のトラブルから李鴻章に解任され、彼はその後太平天国側に寝返った。この時期、常勝軍はイギリス人のチャールズ・ジョージ・ゴードンによって指揮されることになる。ゴードンは淮軍と連携し、崑山や蘇州などの地域を奪還し、戦闘活動を行った。

解散とその後

1864年には常州を攻略後、常勝軍は解散することとなり、残りの部隊は淮軍に統合された。常勝軍の活動は、太平天国の混乱をうねる歴史の中で特異な存在であった。

まとめ

このように、常勝軍は太平天国の乱における重要な傭兵部隊であり、国際的な要素が色濃く見える軍隊の形態を持っていた。戦国時代の中国における異文化の交流や軍事の在り方を考える上で、常勝軍の歴史は重要な位置を占めるものといえる。

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