常木実

常木実

常木実（つねき みのる、1913年7月31日 - 2005年1月31日）は、日本のドイツ文学者です。ドイツ語教育における貢献と、ドイツ文学の翻訳によって知られています。

生涯

千葉県に生まれた常木実は、1938年に東京帝国大学文学部独文科を卒業しました。戦前は外務省嘱託や山形高等学校、浦和高等学校で教鞭を執り、戦後は東京大学教養学部助教授、教授として教鞭をとりました。1974年に東京大学を定年退官後は、名誉教授となり、帝京大学医学部教授として教鞭をとりました。1994年に退職しています。

業績

常木実は、ドイツ語教育の分野で数多くの教科書や文法書を執筆しました。特に、初学者向けのわかりやすい入門書は、多くの学生に支持されました。

主要著書

『入門ドイツ語 初級から中級へ』(1956年)
『接続法 その理論と応用』(1960年)
『わかるドイツ語 基礎編』(1966年)
『わかるドイツ語 実力編』(1966年)
『標準ドイツ語』(1970年)
『新講現代のドイツ語』(1976年)
『わかりやすいドイツ語入門』(1977年)
『ミニドイツ文法読本』(1990年)
『新わかるドイツ語 基礎編』(2001年)

これらの著書は、ドイツ語学習者にとって非常に有用な教材として、長年にわたり活用されています。

翻訳

常木実は、ドイツ文学の翻訳にも力を注ぎました。ゲーテの『ライネケ・フックス』やヘッセの『デーミアン』など、著名な作品を翻訳し、日本の読者に紹介しました。

フォン・ミクシュ『独英イラン争覇記 ドイツのロレンス・ヴァスムスの闘争』(1940年、共訳)
F.L.ネーエル『レントゲン』(1942年)
ゲーテ『ライネケ・フックス』(1948年)
ボーデ『ゲーテの恋愛生活』(1956年)
ルードヴィヒ・トーマ『悪童物語』(1957年、共訳)
パウル・ハイゼ「ララビアータ」(1966年)
ヘッセ「デーミアン」(1968年)
* J.G.シュナーベル『南海の孤島フェルゼンブルク』(1973年)

これらの翻訳は、ドイツ文学への理解を深める上で重要な役割を果たしました。

常木実は、日本のドイツ語教育とドイツ文学の発展に大きく貢献した人物として、記憶されるでしょう。

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