常本佳吾

常本佳吾（つねもと けいご）は、1998年10月21日生まれ、神奈川県相模原市出身のプロサッカー選手です。主にディフェンダーとしてプレーし、右サイドバックを得意としています。現在はスイスのトップリーグであるスイス・スーパーリーグに所属するセルヴェットFCでプレーしています。

経歴

アカデミーから大学へ

常本選手は、地元のサッカークラブを経て、横浜F・マリノスの育成組織でサッカーの基礎と技術を磨きました。プライマリー（小学生年代）からジュニアユース、そしてユース（高校生年代）へと昇格し、各カテゴリーで中心選手として活躍しました。特にユースチームではキャプテンを務め、リーダーシップを発揮。また、ユース在籍中の2015年にはU-17日本代表にも選ばれ、国際経験も積んでいます。高校3年次の2016年には、所属する横浜F・マリノスのトップチームに2種登録されましたが、怪我に見舞われるなどもあり、高校卒業後のトップチーム昇格は叶いませんでした。

プロ入りを一旦見送り、常本選手は明治大学へ進学。大学サッカー部でさらなる成長を期しました。大学でも主力選手としてプレーし、4年次の2020年にはチームの関東大学サッカーリーグ戦優勝に貢献。自身もこの年のリーグ戦でベストイレブンに選ばれるなど、大学屈指のサイドバックとしてその実力を広く知られるようになりました。

プロキャリアのスタート：鹿島アントラーズ時代

大学での活躍が高く評価され、2020年6月には2021年シーズンからの鹿島アントラーズへの加入が内定しました。同年9月には特別指定選手として承認され、大学在学中から鹿島のチームに合流。練習に参加するなど、プロの世界に順応するための準備を進めました。そして、2020年11月3日に行われたJ1リーグ第31節、奇しくも自身が育った横浜F・マリノス戦で途中出場し、待望のJリーグデビューを果たしました。

2021年シーズンからは正式に鹿島アントラーズの一員としてプロキャリアを本格始動。右サイドバックのポジションでコンスタントに出場機会を得て、攻守においてチームに貢献しました。プロ入り後初ゴールは、2021年6月27日のJ1リーグ第20節、北海道コンサドーレ札幌戦で記録しています。鹿島アントラーズには2023年の夏まで約2年半在籍し、Jリーグでの経験を積み重ねました。

スイスでの挑戦と飛躍：セルヴェットFCへ

2023年7月13日、常本選手はキャリアにおける大きな転換期を迎えます。鹿島アントラーズをかつて率いたレネ・ヴァイラー監督からのオファーを受け、スイスの古豪セルヴェットFCへ完全移籍することを発表。自身にとって初の海外挑戦となりました。

セルヴェットFC加入1年目となった2023-2024シーズンは、常本選手にとってまさに飛躍のシーズンとなりました。チームにすぐにフィットし、右サイドバックのレギュラーポジションを確立。スイス・スーパーリーグではシーズンを通して30試合に出場し、3アシストを記録するなど、攻守両面でチームに貢献しました。安定したパフォーマンスは現地で高く評価され、シーズン終了後にはリーグの年間ベストイレブンに選出される快挙を達成しました。これは日本人ディフェンダーとしては特筆すべき実績です。

国内リーグだけでなく、欧州の舞台でもプレー。UEFAチャンピオンズリーグ予選に1試合、UEFAヨーロッパリーグ本戦にも4試合に出場し、欧州の強豪チームとの対戦を通じて貴重な経験を積みました。さらに、チームは国内カップ戦であるスイスカップでも快進撃を続け、決勝に進出。2024年6月2日に行われた決勝戦ではフル出場し、クリーンシート（無失点）に貢献しました。試合は延長戦でも決着がつかずPK戦にもつれ込みましたが、チームはPK戦を9-8で制し見事優勝。常本選手は移籍初年度にしてクラブタイトルを獲得しました。この優勝はセルヴェットFCにとって23年ぶりとなる歴史的な勝利であり、常本選手はその重要な一員として貢献しました。

タイトル・個人賞

クラブタイトル
関東大学サッカーリーグ戦（明治大学、2020年）
スイス・カップ（セルヴェットFC、2023-24年）

個人賞
関東大学サッカーリーグ戦・ベストイレブン（2020年）
スイスリーグ・ベストイレブン（2023-2024）

代表・選抜歴

U-17日本代表（2015年）
全日本大学選抜（2020年、デンソーカップ出場）

その他

女子サッカーWEリーグのノジマステラ神奈川相模原に所属するミッドフィールダー、菅能夏海選手は常本佳吾選手の従姉にあたります。

スイスでの活躍により、欧州での評価を確固たるものにしつつある常本佳吾選手の、今後のさらなる挑戦と成長から目が離せません。

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