常楽寺 (下京区)

常楽寺について

常楽寺（じょうらくじ）は、京都府京都市下京区に位置する浄土真宗本願寺派の寺院であり、「常楽台」とも呼ばれています。この寺院は、親鸞の玄孫にあたる存覚（ぞんかく）によって創建されました。存覚は親鸞の教えを広める重要な役割を果たした人物であり、その影響を受けた寺院としての歴史があります。

特徴と所蔵品

常楽寺の大きな特徴の一つは、親鸞が著した『愚禿鈔』の存覚による写本を所蔵している点です。この写本は、康永元年（1342年）9月11日に書写されたものであり、遺された重要な文献とされています。この写本は、浄土真宗本願寺派の聖典である『浄土真宗聖典』（本願寺出版社）の底本としても利用されています。また、真宗大谷派の聖典『真宗聖典』の対校本としても重要視されています。これにより、常楽寺は浄土真宗の重要な文献の伝承の場としての役割を果たしています。

2007年には、常楽寺が所蔵する掛軸「親鸞聖人影像（花の御影）」の下部に、興味深い墨書が見つかりました。墨書には、「寛文七年 高祖等身夢想の御真影を修復し奉る　則ち御骨舎利を銀筒に収めた」と記されており、この文からも親鸞に関する歴史的な背景や風俗を垣間見ることができます。また、続く日に「宝永三年六月十七日に遺骨を取り出し、宝塔に納めた」という内容があり、この寺院がいかにして親鸞にまつわる遺物を大切にしているかを示しています。

さらに、2008年には所蔵されていた江戸時代頃の親鸞の座像の首を外して体内を調べたところ、親鸞と考えられる和紙に包まれた骨片が発見され、さらなる歴史的な発見がありました。これらの所蔵品や発見は、常楽寺が単なる寺院以上の、歴史的文化財の宝庫であることを証明しています。

交通アクセス

常楽寺へのアクセスは非常に便利です。最寄り駅である京都駅からは約1200メートルの距離にあり、西本願寺御影堂門からは徒歩約5分で到着します。このため、多くの参拝者や観光客が訪れる場所となっています。

常楽寺は、宗教的な意義だけでなく、歴史的な価値を兼ね備えた場所です。その広がりを持つ伝統と文化を感じながら、訪れることができるのが最大の魅力と言えるでしょう。

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