幇助

幇助（ほうじょ）とは

幇助とは、刑法において正犯の実行行為を容易にする一般的な行為を指します。具体的には、指導や支援を通じて犯罪行為を助ける行為であり、これを行った者は「従犯」として扱われます。従犯の成立には、正犯を助ける意思と正犯による実行行為が必要です。ただし、幇助が独立した罪とみなされることもあります。また、幇助犯は狭義の共犯として解釈されることが一般的です。

幇助の具体例

例えば、AがBを殺すための凶器である拳銃をCに渡した場合や、Dが勤務先の金庫を強盗に侵入されやすいように開けておく行為が幇助に該当します。これらは物理的に実行行為を促進するいわゆる物理的幇助です。一方で、実行行為を奨励し心理的に助ける場合は精神的幇助と見なされます。このような幇助はインターネット上でも存在し、管理者が違法投稿を知っていながら放置した場合、幇助罪が成立することがあります。

幇助の難しさ

幇助の概念は曖昧であり、様々な行為が犯罪として扱われる可能性があります。そのため、幇助犯の成立を軽々に認めることは避けなければなりません。たとえば、強盗に使われた包丁を販売した店舗の従業員や、海賊版DVD制作に使用される設備を提供した電器店の行為は、本来犯罪とは無関係であるため、厳格な判断が求められています。

実行従属性

幇助犯が成立するためには、正犯者が実行に着手したことが必要です。たとえば、拳銃を渡したが、Cが殺人に着手しなかったケースでは幇助は成立しません。この要件を「実行従属性」と言います。この考え方の背景には、幇助は正犯の行為が前提となるため、正犯が実行に移さない限り幇助とは見なされないという観点があります。

幇助の因果関係

幇助行為と正犯の実行行為の間に条件関係が存在するかについては議論がありますが、一般的には幇助行為は正犯の実行行為を進めるものであるため、結果発生を促進すれば条件関係は不要とされています。たとえば、拳銃を渡した行為が直接的に正犯の行為につながらなくても、心理的な影響によって助けとなる場合があります。

片面的幇助

片面的幇助とは、実行者が幇助されたことを認識していない場合を指します。この場合、物理的な因果性があれば幇助の成立が認められますが、精神的な因果性は求められません。

独立した幇助罪

幇助行為には以下のような独立した罪も存在します。自殺幇助、現場助勢、内乱幇助等がこれにあたります。これらはそれぞれ法的に認められた枠組みとして、特定の状況下で幇助行為を罰するものです。

結論

幇助の概念においては、実行行為との関係が重要視されるため、その解釈には慎重であるべきです。また、他の法律との絡みも含めて、幇助がどのように扱われるかはさまざまな要因に依存しています。

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