平井毓太郎

平井毓太郎：日本の小児科医の先駆者

平井毓太郎（ひらい いくたろう、1865年11月28日 - 1945年1月12日）は、京都帝国大学の教授であり、日本の医学界における重要な人物として知られる小児科医です。彼は三重県に生まれ、後に多くの業績を積み重ねていきました。

学歴とキャリアの歩み

平井は1890年に東京帝国大学医科を卒業し、その後の1894年には京都府立医学校の教諭として教育の道に進みます。1899年にはドイツに留学し、そこでの学びはその後の研究に大きな影響を与えました。1902年には京都帝国大学医科小児科の初代教授に就任し、小児医療の発展に尽力しました。

彼は1924年に授乳中の乳幼児に見られる脳膜炎様病症の原因が、母親の使用する含鉛白粉による鉛中毒にあることを発見しました。この重要な研究結果は日本小児科学会にて報告され、医学界において大きな注目を集めました。

晩年と後続への影響

1925年には定年退官を迎えましたが、以降も小児科医の集まりで月に一度の講義を行うなど、後進の育成に努めました。1932年には帝国学士院賞を受賞し、1944年には帝国学士院会員の栄誉を得るなど、彼の功績は高く評価されました。

人物と生活

平井はベルツの弟子であり、彼に対する信頼も厚く、実際に代診を任されるほどでした。健康に気を使い、早朝と午後に散歩するのが彼の日課であり、1日に約8キロメートルを歩くことを心がけていました。また、彼は常に歩数計を持ち歩いていたとのことです。

厳格な生活を貫いた平井は、夏でも袴を着用するなど、その姿勢は非常に特異でした。彼は英語、ドイツ語、フランス語に堪能であり、海外の医学雑誌を毎日チェックすることを欠かさなかったと言います。これらの知識は月に一度の小児科医への講義に反映され、多くの医師に影響を与えました。

平井の持つ知識と姿勢に感銘を受けた門下生たちも多く、特に竹內薰兵は彼の教えを受けた一人です。平井が講義のために記録を取るために屋根裏部屋にノートを取りに行く姿は、参加者の松田道雄によってエッセイとして綴られています。

家族

プライベートな面でも、彼の家族は興味深い存在でした。娘である照子の婿にあたる平井金三郎は、アナタの家系の重要な人物であり、歴史の一端を担っていました。

平井毓太郎の業績と人間性は、小児科医療の発展に多大な影響を与え、その意義は今なお語り継がれています。彼の厳格なライフスタイルと熱心な教育姿勢は、後世の医学者たちにとっての模範となることでしょう。

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