平井美帆

平井美帆について

平井美帆（ひらい みほ）は、1971年生まれの日本のノンフィクション作家、ジャーナリストです。大阪府吹田市で生まれ、千里高等学校を卒業後、アメリカに渡り、南カリフォルニア大学で舞台芸術と国際関係学を学びました。大学卒業後、一時帰国し東京で演劇活動に携わりますが、再び渡米し、執筆活動を本格的に開始しました。2002年に日本に拠点を移し、以降、精力的に執筆活動を続けています。

学歴と職歴

1989年3月に大阪府立千里高等学校を卒業後、アメリカのコロラド州立大学語学学校に入学し、同年9月には南カリフォルニア大学に入学しました。1993年に同大学を卒業後、日本で演劇活動に携わります。その後、再びアメリカに渡り執筆活動を開始。2020年4月には日本大学大学院法務研究科（既習コース）に入学し、2022年3月に修了（法務博士）しました。さらに、2024年には司法試験に合格しています。

受賞歴と作品

平井美帆は、その卓越した取材力と構成力で、社会の様々な問題に光を当ててきました。2021年には、『ソ連兵へ差し出された娘たち』で第19回開高健ノンフィクション賞を受賞。この作品は、満州開拓団の悲劇を背景に、戦争における女性たちの苦難を描いたもので、選考時タイトルは『ソ連兵へ差し出された娘たち　―証言・満州黒川開拓団』でした。この作品は、第5回Yahoo!ニュース｜本屋大賞ノンフィクション本大賞、第22回石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞、第54回大宅壮一ノンフィクション賞にもノミネートされるなど、高い評価を得ています。

他にも、著書には以下のような作品があります。

『あなたの子宮を貸してください』（2006年）：小学館ノンフィクション大賞最終候補作
『世界のお金辞典』（2006年）
『バツイチ男の心のうち 彼らは結婚になにを求めたのか』（2007年）
『イレーナ・センドラー　ホロコーストの子ども達の母』（2008年）
『獄に消えた狂気　滋賀・長浜「2園児」刺殺事件』（2011年）：開高健ノンフィクション賞最終候補作（改題前『中国から来た花嫁』）
『中国残留孤児　70年の孤独』（2015年）
『ソ連兵へ差し出された娘たち』（2022年）

これらの作品からもわかるように、平井美帆の関心は多岐にわたります。社会問題、歴史、国際関係、人間心理など、幅広いテーマに取り組み、綿密な取材と多角的な視点から、読者に深い洞察を与えています。

ノンフィクション作家としての姿勢

平井美帆は、社会の片隅に追いやられ、忘れ去られようとしている人々の声に耳を傾け、その物語を丁寧に描き出します。特に、女性やマイノリティの視点から社会を見つめ、権力や構造的な不平等に立ち向かう姿勢は、多くの読者の共感を呼んでいます。

彼女の作品は、単なる事実の記録にとどまらず、人間の尊厳や正義について深く考えさせられるものです。ノンフィクション作家として、社会の真実を追求し、読者に新たな気づきと行動のきっかけを与える平井美帆の今後の活躍に、大きな期待が寄せられています。

外部リンク

集英社出版四賞　贈賞式　選考委員講評と受賞者の言葉
受賞記念インタビュー/第19回開高健ノンフィクション賞受賞 聞かれてこなかった「声」に耳を傾けるということ
開高健NF賞受賞・平井美帆氏「構造的に女性の発言は世で認められにくい
* 平井美帆オフィシャルウェブサイト

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