平壌の戦い (日清戦争)

平壌の戦い

平壌の戦いは、1894年の日清戦争における最初の大規模な陸戦として位置づけられています。この戦いは、日本と清国の間で繰り広げられた激しい攻防戦であり、その結果は両陣営の運命を大きく左右しました。

戦闘前の日本軍の動き

日本側では、混成第9旅団の指揮官である大島義昌少将が、清国軍の動向を注視していました。8月10日の時点で、清兵が義州を経由して平壌に迫るとの情報があり、彼は兵士たちを警戒させるために斥候を派遣しました。その結果、彼の指揮下の部隊は敵軍に遭遇し幹部が戦死するなど、早くから厳しい戦局の一端を味わっていました。加えて、大本営は8月14日に派韓を決定し、陸軍大将の山縣有朋を軍司令官に任命しました。

清国軍の集結

一方、清国軍は李鴻章の指示のもと、平壌への集結を急いでいました。敗戦を喫した清軍の一部が再編成される中、指揮官の葉志超が集結した兵を率いて迎撃の準備を整えます。しかし、連携の緊密さや近代戦への適応が欠けていたため、戦闘の進展が不安視されました。

戦闘の開始

9月15日、戦闘が本格的に始まりました。日本軍は包囲網を築き、混成第9旅団の大島旅団長が一斉攻撃を命じました。この攻撃に対し、清軍は反撃を試みますが、状況は次第に日本軍優位に進展しました。

特に、大同江を挟んだ攻撃が激しく行われ、清軍は増援部隊を投入して何度も防衛線を維持しようとしましたが、日本軍の戦術は効果的で、冷静に状況を把握しながら進軍を続けました。両軍は激しい戦闘を繰り広げ、負傷者が続出する中、午後には朔寧支隊が平壌北面へ攻撃を開始したことで戦況が一変します。

平壌の陥落

平壌に対する激しい攻撃が続く中、ついに16時半頃に清軍が白旗を掲げる事態に至りました。撤退を試みる彼らでしたが、雷雨を口実にその動きを一時中断しました。最終的な攻撃では、日本軍が城内に突入し、清軍の多くが逃走する中、勝利を収めました。

この戦いでの日本軍の死傷者は180名、負傷者は506名であったとされ、対する清軍の戦死者は2000人以上に上ったと言われています。清軍は戦術の不備が明らかとなる戦闘となり、その指導層は戦の混乱の中、次々と崩れていきました。

結果と影響

平壌の陥落は日清戦争において日本軍の優位を示す重要な転機となりました。この戦闘によって、清軍の士気が低下しただけでなく、戦局全体に大きな影響を与えました。日本軍が平壌で得た物資は、当面の糧食不足を解消する助けとなり、戦争の進展に寄与しました。こうして平壌の戦いは、日清戦争の幕開けを告げる歴史的な出来事となったのです。

もう一度検索