平山朝治

平山 朝治

平山 朝治（ひらやま あさじ）は、1958年2月に生まれた日本の経済社会学者です。現在、筑波大学人文社会系の教授として、経済学と社会学を横断する分野で研究と教育に携わっています。社会学を専門とする平山満紀明治大学文学部教授は、配偶者にあたります。

略歴

平山氏は山口県小野田市に生まれました。東京大学教養学部の相関社会科学専攻で学び、1981年に卒業。その後、同大学院経済学研究科に進学し、1986年に博士課程を修了しました。経済学の研究者としての基礎を固め、1987年には「構造的自由主義の経済学」と題する論文を提出し、経済学博士の学位を取得しています。

研究者としてのキャリアは、1986年に東京大学教養学部の助手としてスタートしました。1990年には筑波大学に移籍し、助教授に就任。研究室を移した後も精力的に活動を続け、2007年には准教授へと昇進しました。現在は教授として、後進の指導にもあたっています。

研究活動

平山氏の研究は、既存の学問分野にとらわれず、経済学、社会学といった社会科学に加え、人文学をも広く視野に入れた学際的なアプローチを特徴としています。社会の仕組みや、歴史を通じて形成された文化・価値観などが経済活動や人々の行動にどのように影響を与えるのかを、歴史的、比較的な視点から深く掘り下げています。個人の自由と社会構造、あるいは日本社会における組織原理などを主な研究テーマとしています。

特に、大学院生時代からその研究成果は注目を集め、初期に発表した二冊の著書は、当時の論壇で活発な議論を巻き起こし、「浅田彰を超える」といった帯の惹句とともに広く知られることとなりました。これは、若手研究者としての平山氏が既存の学説や社会観に対し、新たな視点や批判的思考を持ち込んでいたことの表れと言えるでしょう。

長年にわたる多岐にわたる研究活動の成果は、著作集としてまとめられています。2009年には主要な論文や著作を網羅した『平山朝治著作集』全5巻が中央経済社より刊行され、その学術的貢献の大きさが示されました。さらに、2015年には第6巻も出版され、継続的な研究活動の一端を知ることができます。

海外の重要な経済思想や理論を紹介することにも力を入れており、著名な経済学者であるE.S.フェルプス氏の著作の翻訳を手がけるなど、国内の研究者や学生に新たな知見を提供する役割も担っています。

主な著作

『社会科学を超えて 超歴史的比較と総合の試み』（啓明社、1984年）
『ホモ・エコノミクスの解体』（啓明社、1984年）
『比較経済思想』（近代文芸社、1993年）
『「日本らしさ」の地層学』（情況出版、1993年）
『イエ社会と個人主義 日本型組織原理の再検討』（日本経済新聞社、1995年）
『平山朝治著作集（全5巻）』（中央経済社、2009年）
『平山朝治著作集 第6巻 (憲法70年の真実)』（中央経済社, 2015年）

主な翻訳

E.S.フェルプス 著 『マクロ経済思想 七つの学派』（新世社、1991年）

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