平岡市三

平岡市三：昭和期を彩った経済学者・教育者・政治家の生涯

平岡市三（ひらおか いちぞう）は、1898年12月20日に生まれ、1952年3月20日にその生涯を閉じました。昭和期において、経済学者、教育者、そして政治家として顕著な足跡を残しました。彼は参議院議員を2期務め、経済学博士の学位も有していました。

生い立ちと学歴

平岡市三は、現在の静岡県富士宮市にあたる富士郡北山村の出身です。1923年に日本大学商学部法律学科を卒業後、アメリカへ留学し、ワシントン大学とアリゾナ大学で経済学を深く学びました。この留学経験が、彼の後の経済学者としての活動に大きな影響を与えたことは想像に難くありません。

多岐にわたる職歴

帰国後、平岡市三は多岐にわたる分野で活躍しました。米国カリフォルニア州カダループ日本人会では書記長兼日本語学校長として、日系社会の教育に貢献。また、日本大学では専門部教授、経済学部教授、そして監事として教鞭を執りました。教育者としての彼の情熱は、日本女子経済専門学校（現在の嘉悦大学）校長、日本女子経済短期大学（のち嘉悦大学短期大学部）学長という要職も歴任したことからも明らかです。その他、静岡県田子浦高等学校（現静岡県立吉原工業高等学校）校長、嘉悦学園理事長、平岡政治経済研究所長、公認会計士試験委員なども務め、その活動範囲の広さを示しています。

政治家としての足跡

1947年4月、平岡市三は第1回参議院議員通常選挙に自由党公認で静岡県地方区から出馬し、初当選を果たしました。これは補欠選挙であり、任期は3年でした。1950年6月には第2回通常選挙で再選され、参議院議員として連続2期の任期を務めました。参議院議員としては、参議院自由党政務調査会長、第2次吉田内閣大蔵政務次官などの要職を歴任し、国政に貢献しました。

急逝と追贈

しかし、その活動中に日本大学附属病院で急逝。その死を悼み、死没日をもって勲四等瑞宝章が追贈され、正五位に叙されました。彼の業績は、経済学、教育、政治の各分野で高く評価されています。

著作

平岡市三は、研究者として多数の著作も残しています。

講述『工業会計』文運社、1937年。
『経済地理学概論』日大堂書店、1942年。
* 『工業原価計算及簿記』邦光堂、1943年。

これらの著作は、当時の経済学や会計学の研究に大きく貢献しました。

平岡市三は、経済学者、教育者、政治家として、昭和期の日本社会に多大な貢献をした人物です。彼の幅広い知識と経験、そして社会への貢献意欲は、現代においても学ぶべき点が多いと言えるでしょう。

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