平成10年台風第10号

平成10年台風第10号（ゼブ）の概要

平成10年台風第10号、国際名ゼブは、1998年10月に発生した台風で、フィリピンを経て九州南部に上陸しました。この台風は、1998年に発生した台風の中でも特に影響が大きく、激甚災害に認定されています。年内の台風発生数は16個と少ない中、4個の台風が日本に上陸したことが特記されます。

台風の発生と進行

1998年10月11日の早朝、マリアナ諸島の付近で台風10号が形成されました。この台風は、その日のうちにカテゴリー5にまで成長し、フィリピン大気地球物理天文局によりスーパー・タイフーンと認定されました。この評価は、他の気象機関よりも厳しい基準を用いており、台風が特に強力であることを示しています。その後、台風は成長を続け、台湾東方の海域を北上し、10月17日に鹿児島県に上陸しました。

台風はその後、南九州から日向灘へ進み、さらに四国に上陸。最終的には中国地方を経て日本海で温帯低気圧に変わりました。台風による影響は日本列島全体に広がり、最も大雨が降った地域では400mmを超える降水量が記録されました。

影響と風速

西日本や南西諸島では、最大風速が20m/sを超える地域があり、和歌山県和歌山市では最大風速29.3m/s、最大瞬間風速53.8m/sが観測されています。さらに、沖縄県の喜屋武岬では7.82mの有義波高が記録され、高潮による被害も相次いで報告されました。

記録された風速

• - 10月17日 室戸岬：最大風速41.5m/s、最大瞬間風速59.6m/s
• - 10月17日 徳島市：最大風速22.3m/s、最大瞬間風速45.6m/s
• - 10月18日 和歌山市：最大風速29.3m/s、最大瞬間風速53.8m/s

被害状況

台風の北上に伴い、前線の活動が活発化し、日本全国にわたる被害が発生しました。具体的な被害状況は以下の通りです。

• - 死者：14名、行方不明者：1名、負傷者：68名
• - 住家全壊：33棟、半壊：34棟、一部損壊：1,314棟
• - 床上浸水：3,673棟、床下浸水：10,911棟
• - 道路損壊：3,185箇所、橋梁流出：92箇所、山がけ崩れ：884箇所、堤防決壊：413箇所

台風の特異性

平成10年台風第10号は、その発生が1951年からの統計で、例年よりも遅い時期に天候が厳しくなる中で起こったため注目されています。実際、この年の台風はその前例がなく、台風10号の発生はかなり異例でした。また、1977年以降で8番目に広範囲の暴風域を持ち、その直径は800 kmにも達しました。このように、台風第10号は日本の気象史に残る歴史的な台風であると言えるでしょう。

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参考リンク:

• - 気象庁：災害をもたらした気象事例
• - 国立情報学研究所：台風199810号詳細にアクセスして、さらに詳しい情報を確認することができます。

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