平成11年台風第18号

平成11年台風第18号（バート）

平成11年の台風第18号、国際名バートは、1999年9月24日に熊本県北部に上陸し、甚大な被害をもたらしました。この台風は、特に熊本県不知火町（現在の宇城市）での高潮が著名であり、そこでの被害は非常に深刻でした。この台風の進行経路は、過去に甚大な被害を出した1942年の周防灘台風と類似しているという指摘もあります。

台風の発生と進行

この台風は、9月19日に沖縄の南東海上で発生し、その後北西に進みながら急速に発達しました。9月22日には沖縄近海で中心気圧930 hPa、最大風速45 m/sという非常に強い勢力となり、特に那覇市では最大瞬間風速58.9 m/sを記録しました。その後、台風はやや勢力を弱めつつも、9月24日早朝に熊本県北部に上陸しました。

台風は熊本県を縦断した後、大分県から山口県宇部市付近へ再上陸しました。この台風はさらに速い速度で日本海に抜け、25日には北海道渡島半島に再上陸し、最終的には温帯低気圧に変わりました。

海抜の高潮と風

今回の台風では、高潮が特に問題視されました。満潮時に台風が接近したことで、熊本県の不知火町では海水面が押し寄せ、12名の尊い命が失われました。この現象は津波に似た特性を持っており、通常の波とは異なる危険なものでした。

同時に、台風の強風も多くの被害を引き起こしました。特に愛知県では、4つの竜巻が発生し、そのうち最大のものは豊橋市でのF3クラスのものでした。この竜巻は市街地を襲い、小中学校に甚大な被害を及ぼしました。負傷者は400人を超え、住家の損壊も大規模でした。特に山口宇部空港は冠水し、数ヶ月にわたり機能が麻痺しましたが、4日後には運航が再開されました。

台風の速度が速いため、危険半円では暴風が吹き荒れ、熊本県牛深市では最大瞬間風速66.2 m/sを記録しました。また、鹿児島県の下甑島では83.9 m/sという非公式記録も残されています。

被害の概要

台風第18号による具体的な被害は以下の通りです：

• - 死者：30名
• - 負傷者：1,143名
• - 住家全壊：332棟
• - 住家半壊：3,023棟
• - 一部損壊：85,989棟
• - 床上浸水：5,366棟
• - 床下浸水：12,635棟
• - 被害総額：1,631億円

最大瞬間風速の記録は牛深での66.2 m/s、最低海面気圧は牛深で943.9 hPaでした。

結論

台風第18号は、自然災害の危険性とその影響を改めて認識させる出来事でした。この台風の進路や被害状況は、過去の強い台風とも類似しており、日本における台風による災害管理の重要性を強調しています。このような自然災害から多くの教訓を学び、未来の対策に結びつけることが求められています。

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