平成15年台風第18号

平成15年台風第18号（パーマァ）について

平成15年台風第18号、アジア名パーマァ（Parma）は、2003年10月に発生した台風であり、その進行ルートが非常に珍しく、目を引く事例として記録に残っています。この台風は、同年10月21日に日本の南方で形成され、西側には台風17号が存在しました。この2つの台風間での相互作用が、パーマァの意外な挙動を引き起こしました。

最初は北東へ進むと予想されていた台風18号でしたが、衰弱して温帯低気圧に変わるかと考えられていた矢先、南下を開始しました。その後、偏東風に乗って西へ進行し、驚異的な回復を見せ、最大風速は30m/sから45m/s（90kt）にまで増加しました。この回復期には、中心気圧も975hPaから935hPaに改善されました。

さらに、台風は再び北東へ向かい、その後、温帯低気圧に変わりました。最盛期には中心気圧930hPa、最大風速は50m/s（95kt）に達しました。この台風の最大の特徴は、太平洋高気圧の縁を一週間かけて一周し、その過程で取った進路が非常に複雑であったことです。台風の南下幅は8.9度に達し、これは1951年以降の統計で最も広い数値となりました。また、台風の総移動距離も過去3位とされ、これらの理由から特異性が強調されています。

これまで数十年にわたり、このような進路を持つ台風は観測されておらず、パーマァは太平洋上で一周した珍しい台風として知られるようになりました。結果的に日本には直接的な影響を及ぼさなかったものの、気象学的には非常に興味深いケースとなりました。

特に注目すべきは、台風17号との相互作用の影響です。通常、台風同士はそれぞれが影響を受けるため、接触が避けられることが多いですが、今回はその相互作用が新たな進路を生む要因となりました。このことは、今後の台風研究においても重要な意味を持つでしょう。

台風の影響は直接的なものだけでなく、気象パターンや海洋への影響も含め、長期的な観測が求められています。また、台風の進行パターンを解析することで、今後の台風に備える知識を得ることができるかもしれません。

参考文献

• - 複雑な動きをする台風に関する研究
• - デジタル台風による台風200318号（PARMA）の総合情報（気圧・経路図）

このように、台風第18号パーマァは、歴史的に見ても異例の台風として、自然災害の理解と気象学の研究に貢献する気象現象となりました。

もう一度検索