平成16年台風第23号

平成16年台風第23号（トカゲ）

平成16年、すなわち2004年の10月に発生した台風第23号は、日本列島に甚大な影響を及ぼしました。この台風は「トカゲ」と名付けられ、アジア名としても知られています。台風の発生は10月13日、マリアナ諸島付近で始まり、日本によって名前が付けられたのが特徴です。フィリピンでは「シオニー」という名称でも呼ばれました。

台風の経路と上陸

台風は急速に発達し、10月18日の夕方には沖縄の南海上で強力な勢力に成長しました。そして、19日には沖縄本島から奄美諸島を越えて進み、20日には高知県近くに上陸しました。この台風は四国に上陸した台風の中では上陸日が最も遅く、日本全体でも上陸日が過去4番目に遅いものでした。台風が日本本土を横断する際、中心が日本アルプスに到達するまでの間に急激に勢力を弱めました。これは、山による摩擦が強く影響を与えたためと考えられています。

大雨と風の影響

台風の接近により、広範囲にわたって降水量が増加しました。特に、四国や大分県では500mmを超える降水が記録され、多くの地域で300mm以上の大雨が降りました。台風の接近日である20日は、九州地方から関東地方にかけて大雨が発生し、様々な地点で日降水量の記録が更新される事態となりました。さらに、台風の影響で暴風や高波も起こり、南西諸島から東日本にかけての地域で深刻な被害をもたらしました。

主な被害状況

台風の接近による影響で、日本各地で河川の氾濫や土砂災害が発生しました。特に、豊岡市で円山川が氾濫し、京都府の福知山市でも由良川の氾濫が発生し、多くの浸水被害を引き起こしました。さらには、岡山県や香川県、愛媛県など西日本を中心に土砂災害や高波による被害も見られました。

死者と行方不明者は98人に上り、これは1970年代以降での台風による最大の犠牲者数です。また、負傷者は555人に達し、その中には重傷者も含まれています。住宅に関しては、全壊した家屋が909棟、半壊は7776棟、一部破損が10955棟に及びました。このような被害は、特に西日本の各地で深刻な影響を与えました。

台風の余波と後の対応

台風通過後の10月23日には、新潟県で中越地震が発生し、この一連の災害はその後の政府の非常事態宣言や支援に繋がりました。台風23号の後、内閣はこの災害を激甚災害に指定し、必要な支援や措置を講じることを決定しました。

台風23号は、自然の猛威が及ぼす影響の深刻さを実感させるものであり、日本の防災体制を見直す契機ともなりました。政府による災害対策の強化が求められる中、この過去の教訓を胸に、今後の台風シーズンに備える必要があるといえるでしょう。

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