平成23年台風第17号

平成23年台風第17号（ネサット）

2011年9月24日に発生した台風17号は、アジア名を「ネサット（Nesat）」といい、カンボジア語で「漁師」を意味します。フィリピンでは「ペドリング（Pedring）」とも呼ばれました。

概要

この台風は、9月23日9時にパラオ諸島北部で熱帯低気圧として発生し、翌24日9時に台風17号となりました。発生後、フィリピンに向かって発達を続け、26日9時には強い台風に、27日3時には大型で強い台風へと成長しました。27日明け方には、大型で強い勢力を維持したままルソン島に上陸。その後、29日昼過ぎに強い勢力を保ったまま海南省を通過し、30日昼過ぎにベトナムへ上陸しました。10月1日3時には熱帯低気圧に変わり、同日9時に消滅しました。

この台風の特徴は、暴風雨の範囲が非常に広かったことで、これによりフィリピンでは甚大な被害が発生しました。

各地での被害状況

フィリピン

フィリピンでは、増水した川による流出や、建物の倒壊などにより、55人もの死者が出て、28人が行方不明となりました。首都マニラでは大規模な停電が発生し、証券取引所が一時取引を中止するなど、社会機能に大きな影響が出ました。また、ベイウォークでは高波が海岸堤防を乗り越え、浸水被害や堤防の破壊が発生しました。

中国

中国では、4人が死亡、1人が行方不明となり、強風により少なくとも3人が負傷しました。特に海南省では、約30万人が避難を余儀なくされ、交通機関にも大きな混乱が生じました。農作物等への直接的な経済損失額は21億元に達しました。

ベトナム

ベトナムでは、洪水や浸水により少なくとも8人が死亡しました。

まとめ

台風17号（ネサット）は、フィリピン、中国、ベトナムに甚大な被害をもたらした台風でした。特にフィリピンでは、多数の死者・行方不明者が出たほか、経済活動にも大きな影響を与えました。この台風の被害は、暴風雨の範囲が広かったことによるものであり、自然災害の脅威を改めて認識させられる出来事となりました。

参考情報

* デジタル[台風]]：[台風201117号（NESAT）- 総合情報（気圧・経路図）

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