平成23年台風第8号

平成23年台風第8号（ノックテン）の詳細

平成23年台風第8号、アジア名「ノックテン（Nock-ten）」は、2011年7月に発生した台風です。この台風は、フィリピンをはじめ、中国、ベトナムなど東南アジアの複数の国に甚大な被害をもたらしました。

発生と経路

2011年7月25日3時、フィリピンの東の海上で熱帯低気圧が発生しました。この熱帯低気圧は急速に発達し、翌26日9時には台風となり、「ノックテン」と命名されました。この名前はラオスによって提案されたもので、鳥を意味します。また、フィリピンではこの台風を「フアニン（Juaning）」と呼んでいます。

台風は発達しながら西に進み、27日にフィリピンのルソン島に上陸しました。その後、同日21時にはルソン島を通過し、南シナ海へと進みました。29日には中国の海南省を通過し、30日にはベトナムに再上陸しました。その後、勢力を弱め、31日9時にはタイとラオスの国境付近で熱帯低気圧に変わりました。最終的に同日15時には大陸の低圧部に吸収され、消滅しました。

被害状況

台風8号は、通過した地域に深刻な被害をもたらしました。特に被害が大きかったのはフィリピンでした。

フィリピン: ルソン島では、26日に暴風雨に見舞われ、アルバイ州で10万戸以上、南カマリネス州で約3万人が避難しました。フィリピン政府の発表によると、この台風により35人が死亡、25人が行方不明となりました。アルバイ州では70万人以上が被災しています。最終的には、フィリピンでの合計死者数は75人に達しました。
中国: 29日には、海南省北東部に台風が上陸し、同省では2人が死亡しました。75万人が被災し、経済的損失は約3億7700万元に上りました。
ベトナム: ベトナムでも、この台風により3人が亡くなりました。

台風の影響を受けた地域全体での死者数は100人を超え、深刻な被害をもたらした台風となりました。

まとめ

平成23年台風第8号（ノックテン）は、発生から消滅まで約1週間と比較的短期間ではありましたが、その間にフィリピン、中国、ベトナムに甚大な被害をもたらしました。特にフィリピンでは、多数の死者と行方不明者を出し、経済的にも大きな損失を被りました。この台風は、東南アジア地域に自然災害の恐ろしさを改めて認識させる出来事となりました。

参考情報

デジタル台風：台風201108号（NOCK-TEN）- 総合情報（気圧・経路図） - 国立情報学研究所（北本朝展）
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