平成23年台風第9号

平成23年台風第9号（ムイファー）について

2011年7月28日に発生した台風9号（アジア名：ムイファー）は、カロリン諸島で発生した熱帯低気圧が発達したもので、フィリピンの東で台風に昇格しました。マカオによって「梅の花」を意味する「ムイファー」と命名され、フィリピンでは「カバヤン」と呼ばれました。

この台風は勢力を強めながら北上し、8月4日には沖縄県を暴風域に巻き込みました。特に沖縄本島では、中南部で45時間、北部で30時間以上という長期間にわたり暴風域に留まり、2004年の台風18号以来、稀に見る長時間の暴風となりました。24時間以上の暴風域は2004年以来で、40時間以上は2001年以来という記録的なものでした。さらに、本部町で610ミリ、名護市で459ミリと、観測史上最高となる24時間雨量を記録しました。

その後も台風は北上を続け、北朝鮮に上陸した後、8月9日に温帯低気圧へと変わりました。

各地への影響

台風9号は、沖縄県に大きな被害をもたらしました。ゆっくりとした速度で進んだため、暴風の影響が長引き、42人が負傷（うち重傷者8人）、最大9万8000世帯が停電し、農業被害は6億6273万円に達しました。また、台風の影響で波が高くなった関東地方では、漁船の転覆事故により2人が死亡、1人が負傷しました。

この台風による被害は日本国内にとどまらず、韓国では4人、北朝鮮では10人以上が死亡・負傷し、100棟以上の家屋が破壊されました。また、フィリピンでも4人が死亡するという甚大な被害が発生しました。

その他の影響

台風9号からの暖かく湿った気流は、新潟・福島豪雨を引き起こした前線に流れ込みましたが、これらは間接的な影響とされ、別災害として扱われています。

まとめ

台風9号は、その発生から消滅まで、各地に大きな被害をもたらしました。沖縄県では記録的な暴風雨に見舞われ、人的・経済的な被害が甚大でした。また、日本国外でも多くの犠牲者を出すなど、広範囲にわたる影響を及ぼした台風でした。

参考情報

* デジタル台風：台風201109号（MUIFA）- 総合情報（気圧・経路図） - 国立情報学研究所（北本朝展）

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