平成26年台風第9号

平成26年台風第9号（Rammasun）

平成26年台風第9号、アジア名「Rammasun（雷神）」は2014年7月にフィリピンと中国を襲った台風です。台風は7月9日にチューク諸島の東海上で活動を開始し、翌日に低気圧へと発展しました。さらに11日には米国の合同台風警報センター（JTWC）がトロピカルストームとして認定しましたが、その後一時的にその評価を撤回しました。12日の夕方にはマリアナ諸島付近で台風となり、フィリピンに向けて西進を始めました。

フィリピンに到達したのは13日で、フィリピン気象庁はその台風を「グレンダ」と名付けました。台風は急速に強まり、15日にルソン島東部のアルバイ州付近に上陸し、首都マニラにも直撃しました。この影響でフィリピンのルソン島とヴィサヤ諸島地方には暴風雨警報が発令され、最大風速は50メートルを超えることもありました。付随する豪雨も含め、多くの地域に甚大な被害を及ぼしました。

南シナ海を経て再び勢力を強めた台風は中国に接近しました。18日には海南島の北部で上陸し、その後、広東省湛江市にも再上陸。華南地域全体で大きな被害が発生しました。台風は上陸後次第に弱まるものの、その影響は依然として大きく、20日には熱帯低気圧にまで勢力を落としました。

被害状況

フィリピン

台風による被害は極めて深刻でした。20日朝の時点で、フィリピンでは97名の死者、437名の負傷者、そして行方不明者が6名報告されています。住居の被害は全壊27,874棟を含む合計111,372棟に及び、インフラや農産物への被害額は約74億フィリピンペソ（約172億円）に達しました。

中国

中国でも華南一帯に激しい暴風雨が猛威を振るいました。広東省や海南省、広西チワン族自治区では130万人から500万人が影響を受け、20日の時点で少なくとも17名の死者が確認されています。海南省では51,000棟の家が被害に遭い、約40,600ヘクタールの農地にも影響が出ました。経済的損失は47億元（約7億5000万ドル）以上と見積もられています。

その他の情報

今回の台風はそのアジア名「Rammasun」が使用中止となり、次回の台風においては新たに「Bualoi」という名前が使用されることが決定されています。

台風による影響は広範囲に及び、社会や経済に対するダメージは長期にわたる可能性が高いため、被災地域の復旧作業は厳しい課題とされています。このような自然災害の影響について真剣に考えることが、今後の防災対策において極めて重要です。

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