平成28年台風第7号

平成28年台風第7号（Chanthu）

平成28年台風第7号は、アジア名「Chanthu」として知られ、2016年の8月に東日本や北日本に大きな影響を及ぼしました。この台風は、特に北海道での上陸が特徴であり、記録的な大雨と暴風を引き起こしました。

台風の発生と経過

台風は2016年8月10日、フィリピンの東で形成が始まりました。気象庁は翌日、熱帯低気圧として観測を開始し、その後、台風として発達しました。台風は、やや発達しながら8月15日から16日にかけて小笠原諸島や伊豆諸島の東海上を北上しました。17日には千葉県銚子市沖を通過し、その後、北海道の襟裳岬付近に上陸しました。最終的に18日には温帯低気圧に変わりました。

気象状況と被害

台風による影響は広範囲に及びました。特に16日から17日にかけて北海道では、胆振地方の白老町森野で233.5mm、日高地方の浦河町中杵臼で207.5mmの降雨が観測されました。これにより、溢水や土砂災害が発生しました。他にも、関東地方や東北地方でも大雨が降り、特に茨城県土浦市では観測史上最高の1時間降水量65.5mmを記録しました。

暴風による影響も大きく、北海道では釧路市で最大瞬間風速43.2m/sが観測されました。これにより、学校の屋根が吹き飛ばされるなどの被害が報告されました。

交通への影響

台風の影響で交通機関も多大な被害を受けました。外房線や常磐線の運行が見合わせとなり、山形新幹線では多くの列車が運休しました。これによって、約500人以上が影響を受けました。北海道では特急列車を含む54本が運休し、約3600人が影響を受けました。

その後の影響

台風が通過した後も、局地的な豪雨が続きました。北海道では川が氾濫し、多数の住宅が浸水。結果として、避難指示が出され、約780世帯が影響を受けました。さらには、停電も広がり、道内全体で8万戸以上が停電したとの報告もありました。

その後の調査では、国道273号の高原大橋が増水により被害を受け、通行止めとなりましたが、最終的には通行止めが解除されることとなりました。

結論

平成28年台風第7号「Chanthu」は、その影響が日本の多くの地域に及び、特に北海道での記録的な雨と風によって、深刻な被害をもたらしました。政府はこの災害を激甚災害として位置付け、復旧作業が進められました。人々の記憶に深く刻まれたこの台風の教訓は、今後の災害対策に活かされることでしょう。

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