平成30年台風第7号

平成30年台風第7号（プラピルーン）

2018年6月29日に発生した台風7号は、アジア名「プラピルーン」（タイ語で「雨の神」の意）、フィリピン名「フロリタ」と命名されました。この台風は、6月27日頃にフィリピンの東の海上で形成された低圧部が発達したもので、合同台風警報センター（JTWC）によって熱帯低気圧として監視され始めました。

台風の発生と進路

6月28日には熱帯低気圧となり、29日9時には日本の南、北緯20度0分、東経130度10分で台風に発達し、「プラピルーン」と命名されました。当初の予想よりもゆっくりとした速度で北上し、7月2日には久米島付近を通過しました。その後、東シナ海を北上しながら九州北部に接近し、対馬海峡を通過。7月4日9時には日本海の北緯40度、東経134度で温帯低気圧に変わりました。

台風の影響

沖縄県では、南城市で最大瞬間風速43.7m/sを観測し、粟国では7月の観測史上1位となる最大風速25.5m/sを記録しました。また、九州東部や四国では大雨となりました。台風の通過に伴い、日本列島を覆っていた太平洋高気圧が後退し、北海道付近に停滞していた梅雨前線が南下しました。さらに、台風から変わった温帯低気圧や後続の8号から梅雨前線に大量の湿った空気が供給されたため、台風通過後も西日本で記録的な大雨となりました。

この大雨は「平成30年7月豪雨」と命名され、死者200人を超える大災害となりました。

進路と状態の経過

6月29日9時：日本の南で台風に発達
7月1日15時：暴風域を伴うようになる
7月2日3時頃：久米島付近を通過
7月2日9時：「強い」勢力に発達
7月3日12時頃：五島列島付近を通過
7月3日18時頃：対馬付近を通過
7月4日15時：日本海で温帯低気圧に変わる

被害状況

沖縄県内では、強風により5人が重軽傷を負いました。
福岡県では、強風にあおられた女性が転落し、その後死亡しました。
長崎県五島列島付近を通過した影響で、世界遺産に登録されたばかりの五島市の旧五輪教会堂と佐世保市の黒島天主堂のステンドグラスなどが割れる被害が出ました。

特記事項

この台風がもたらした大雨は、後に西日本豪雨災害へとつながる要因となりましたが、この記述における被害には、平成30年7月豪雨による被害は含まれていません。

関連情報

平成30年7月豪雨
デジタル台風：台風201807号（PRAPIROON）- 総合情報（気圧・経路図）

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