平松守彦

平松 守彦について

平松守彦（ひらまつ もりひこ、1924年3月12日 - 2016年8月21日）は、日本の通産官僚であり、元大分県知事として知られています。特に「一村一品運動」の提唱者として、その名を広めました。また、関西大学政策創造学部の客員教授や立命館アジア太平洋大学アドバイザリー・コミッティの名誉委員としても活躍しました。座右の銘は「継続は力なり」であり、彼の生涯はこの言葉に表れています。平松は、1995年にアジアのノーベル賞とされるマグサイサイ賞を受賞するなど、数多くの栄誉を得ました。

経歴

大分市で生まれた平松は、大分中学校と五高を経て東京大学法学部を卒業しました。1949年、旧商工省に入省し、その後の事務次官や労相を歴任した官僚たちと同じ同期で、彼自身も通産省の業務を通じて国内の産業政策に強い影響を与えました。通産省では特に佐橋滋の指導の下で政府主導の産業政策を重視し、企業局や重工業局などでの役職を歴任しながら、日本のコンピュータ産業育成に寄与しました。彼は、電子工業課での任務を通じて、日本のメーカーを支援し、コンピュータ業界の成長に寄与しました。

平松は1964年から1975年までの期間、多くの官職を歴任し、1975年には大分県副知事に就任。その後、1979年に大分県知事に選出され、「一村一品運動」を提唱します。この動きは地域資源を活用した地域振興を目指し、大分県を全国に知らしめるきっかけとなりました。その活動は特に中国に評価され、「中国に縁のある十大国際友人」の1人に選ばれるなど、国際的な影響力を持つに至りました。

地域論と思想

平松の地域に関する考え方では、国の役割は通貨、国防、外交に限られ、福祉や教育、農業は地方に任せるべきだとされます。彼は行政を補助的な役割とし、知事は地域の代表として販売促進に努めるべきと考えました。この理念は「一村一品運動」の実施を通じて具体化され、地方が自らの特性を活かすことによる競争を奨励しました。

平松はまた、地域の連携や自主運営の重要性を訴え、九州全体でのアジアとの関係構築を提唱しました。彼は多数の著書を精力的に執筆し、『地方からの発想』は地方分権の指南書として多くの人に読まれることとなりました。

評価と影響

平松は、大分県の知事として特異な24年間の長期政権を築き、多くの行政改革を推進しました。しかし、彼の施策については賛否が分かれています。特に、バブル崩壊後の財政悪化にも関わらず大型プロジェクトを進めたことが問題視され、その後の知事に負担を残すことになったとの指摘もあります。それでも、平松の施策は地域活性化や住民のモチベーション向上に寄与し、彼の理念は今日でも多くの人に影響を与えています。

2016年に92歳で亡くなった平松には、日本のみならず中国や韓国からも多くの追悼者が訪れました。その功績は、時代を超えて広く称えられています。

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