平松隆円

平松 隆円

平松 隆円（ひらまつ りゅうえん）氏は、1980年8月1日生まれの日本の化粧心理学者です。専門分野は化粧心理学、化粧文化論、そしてブランド戦略論に及び、現在は国際ファッション専門職大学の専任講師を務めています。

来歴

滋賀県に生まれた平松氏は、近江兄弟社高等学校を経て佛教大学教育学部を卒業しました。さらに同大学院教育学研究科に進学し、2005年に修士課程、2008年に博士後期課程を修了しています。博士後期課程修了と同時に、「日本の生活文化における化粧」に関する研究で博士（教育学）の学位を取得しました。

大学院在学中には、国際日本文化研究センターの特別共同利用研究員として、著名な井上章一氏の指導を受けました。また、同センターの機関研究員として笠谷和比古氏が主導する伝統文化芸術総合研究プロジェクトに参加し、日本の豊かな伝統文化や芸術が現代社会や国際的な視点から持つ意義や役割について、実践的な探求を行いました。2007年からは共同研究員として研究活動を続け、2008年には京都大学ベンチャービジネスラボラトリーの中核機関研究員にも着任。この時期は、国際日本文化研究センターの講師も兼任していました。その後、2011年から2018年まで、そして2020年から2024年にかけて再び国際日本文化研究センターの共同研究員を務めています。

日本国外での教育経験も豊富です。タイ王国のチュラロンコーン大学（2013年 - 2014年）とスアンスナンタ・ラチャパット大学（2014年 - 2016年）で専任講師として教鞭を執りました。帰国後は、東亜大学芸術学部および大学院総合学術研究科で准教授（2016年 - 2022年）を務めています。さらに、ベトナム社会主義共和国のグエンチャイ大学では、2020年から大学評議会の外部理事を務め、2022年からは客員教授も兼任するなど、国際的な活動を展開しています。

そして2023年からは、国際ファッション専門職大学の専任講師として、後進の指導にあたっています。

研究活動

平松氏の研究の中心テーマは「よそおい」ですが、その関心は広く、魅力に関する研究から男女の恋愛感情に関わる心理にまで精通しています。2012年4月、神戸山手短期大学生活学科に心理コースが新設され、「恋愛心理学」の科目が開講された際には、非常勤講師としてその講義を担当しました。この「恋愛心理学」という名称での講座は、文部科学省によると全国的にも珍しく、先駆的な取り組みとされています。

また、京都大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリーの中核機関研究員として、京都電気自動車プロジェクトにも参加しました。これは伝統技術や芸術を融合させ、自然と調和する電気自動車を開発するという試みであり、後に株式会社グリーン・ロード・モータースとして起業に至りました。この経験を通じて、平松氏は新事業創生やアントレプレナーシップ（起業家精神）に関する深い知見も有しています。

著書・受賞歴

単著

『化粧にみる日本文化』（水曜社、2009年、2020年新装版）
『黒髪と美女の日本史』（水曜社、2012年）
『邪推する よそおい』（繊研新聞社、2014年）
『黒髪と美の歴史』（KADOKAWA、2019年）

監訳

『メレル・ヴォーリズと一柳満喜子』（水曜社、2010年）

論文

国立情報学研究所に多数の論文が収録されています。

受賞歴

2006年: 社団法人日本繊維製品消費科学会奨励賞（『化粧行動と化粧意識に関する研究』に対して）
2007年: 佛教大学学術奨励賞（『化粧行動許容に関わる公衆場面の構造解明とそれを規定する個人差要因』に対して）
2011年: 京都文化ベンチャーコンペティション日本経済新聞社賞（「AR(Augmented Reality)を利用した修学旅行における教育プログラム」に対して）

これらの活動や著作を通じて、平松隆円氏は化粧や「よそおい」といったテーマを軸に、心理学、文化、ビジネス、そして教育といった多岐にわたる分野で貢献を続けています。

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