平楽寺書店

株式会社平楽寺書店の概要

株式会社平楽寺書店（へいらくじしょてん）は、日本の伝統的な出版社の一つで、主に仏教書を専門としています。本社は京都市中京区に所在し、江戸初期の慶長年間に創業されました。創業者は村上浄徳で、彼が丹波国から京都に移り住んだことからこの会社が始まりました。彼は書肆を開設し、仏教関連の文献や医書を出版することに努めました。

歴史的な沿革

平楽寺書店の歴史は長く、江戸時代にさかのぼります。村上浄信から村上宗信の世代にかけて、浄土宗の宗書を中心に出版していましたが、宗信の代に法華宗に転向しました。その後、第4代の村上元信の時代からは、日蓮宗の宗書を数多く手がけるようになりました。特に、寛保元年（1741年）には「法華宗門書堂」と名乗り、地域での活動がさらに活発化しました。

繁栄を遂げた平楽寺書店は、貞享年間には江戸に出店し、全国的な知名度を持ちましたが、明治時代に一度は廃業に追い込まれます。しかし、第11代村上勘兵衛によって大正2年（1912年）に再興され、「平楽寺書店（井上平楽寺）」と名を改め、新たに日蓮宗の宗書の刊行を行う出版社として再スタートしました。以降、現在に至るまで、仏教関連の書籍が多数発行されています。

現在では、仏教研究の一環として多くの学術書や一般向け書籍、また『東方年表』などの出版も手がけ、幅広い読者に支持されています。

社屋とその特徴

株式会社平楽寺書店の社屋は、1927年に完成した近代建築であり、設計・施工はからきや工務店が手がけました。この建物は、トスカナ式のジャイアントオーダーを持つ洋館部分と、和館が一体となった町家の形をしています。洋館部分はかつて登録有形文化財に指定されていましたが、2017年に解体され、その後文化財としての登録も抹消されています。建物の独特なデザインは、京都の風情を感じさせるものがあり、多くの人々に親しまれています。

所在地

平楽寺書店は、京都府京都市中京区東洞院通三条通上ルに位置し、文化的な中心に立地しています。この地理的な利点を生かし、学術や文化に貢献する書籍の発行を続けています。

近年の活動と関連項目

1955年には、法藏館、永田文昌堂、百華苑との四社が「仏書連盟」を結成し、合同の出版目録である「仏教書総目録」を刊行しました。これにより、より多くの仏教書を全国に普及させる目的でも協力関係を強化しています。また、関連項目として、永田文昌堂や法蔵館なども含まれ、仏教書の発行の重要な役割を担っています。

平楽寺書店は、長い歴史を有しながらも時代に応じた進化を遂げており、今後も仏教文化の発展と知識普及に寄与していくことでしょう。

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